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「おはよー。
 まどちゃん昨日はごめんね。」

「んーん!
 みなが元気ならそれでよし。」

「ありがと、いつも。」

「いいえー。」


まどちゃんも安井もいつも通りだった。
隣に座る渡辺も相変わらず寝ているし、京本の口の悪さも健在だ。

でもそんな日常にぽっかりと空いた穴はふさがってくれないみたい。


「みな!今日帰り一緒に帰ろう。」

「うん。部活終わったらLINEするね。」

「了解ー。じゃあねー。」


教室の後ろの扉を開けて美術室に向かう。
作品修正は私だけみたいで、カギは空いてなさそう。

美術準備室の前あたりに女の子が1人寄りかかっていた。
うちの部員じゃなさそうだからその前を通って美術室のカギをあける。


「南先輩ですよね。」

「そうですけど…。」


話しかけられて一歩引いてしまったのは、少し派手に着崩された制服だったから。
茶髪のロングから覗く顔も卵みたいでつるんとした美人さん。
こんな可愛い後輩居たかなと考えながら話を聞く。


「田中樹の幼馴染です。」

「そうなんですか。」

「あの…樹のことどうでもいいんだったら振ってもらっていいですか?」


返す言葉がまったく見つからない。
私が持ち合わせていない答えを彼女は待っている。
その目は真剣そのもので、逃がしてはくれなかった。


「樹にどうして気を持たせたりするんですか?
 どう考えても、断るタイミングありましたよね。
 先輩のこと慕ってくれてるからっていい気になって。
 樹の気持ち考えたことあるんですか…って聞いてますか?」


返せる言葉はまったく見つかってない。
しかもこの期に及んで、実は好きになっちゃいましたなんて火に油を注ぐようなもの。
でも持ち合わせている答えは彼女にとったら0点そのものだ。


「生まれた時から一緒にいる樹のこと知ってるつもりです。
 元気がないのは絶対にあなたのせいなんです。
 懐かれていい気になって、人の気持ち弄んで何がしたかったんですか?」


彼女の目から涙がこぼれ落ちそうなことに気付いてとっさにタオルを渡す。
その手はいとも簡単に振り払われて、彼女はジッと私を睨む。
出してしまった手は宙に浮いて行き場所がない、私のキモチみたい。


「もういいです。返事してくれないならそれで。
 本気で好きって気持ち無駄にするあなたに渡せないです。
 樹に優しくしないでください…もう悲しい顔なんて見たくないんです。」


そう言い切って私の横を勢いよく駆け抜けてった。

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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時

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