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「元気ならよかった。
 萩谷くんは職員室に用事?」

「いえ、南先輩に。」

「私に?」

「文化祭で撮った写真を12月のコンクールに出品してもいいですか?」

「安井と撮った写真かな?」

「あーえっとそうじゃないんです。」

「いつ撮ってくれたんだっけ。」

「隠し撮りにかなり近いんすけど…。」


11月も半ばに差し掛かった廊下には冷たい風が通り抜ける。
申し訳なさそうにデジイチの画面を動かして、その写真を見せてくれた。


「これって。」

「文化祭の中庭で焼きそば作ってる樹を見てるところなんです。」

「そうなんだ。」

「あの日たくさん撮った写真で一番次のテーマに合ってて。」

「私って…こんな顔するんだね。」

「どうですかね…。」


萩谷くんの顔を見てたら断りづらい。
私自身こんな穏やかな顔ができるんだなって関心してしまうほど。
自分が知らなった顔を樹くんは知ってくれてたのかな。


「使ってもいいけど、その代わり。」

「なんでしょう?」

「真田くんに負けないでね。」

「…はい!ありがとうございます!」


とびっきりの笑顔で萩谷くんは私にぺこりを頭を下げて廊下を走っていく。
樹くんもいつもこうやって笑ってくれたな。

今日の私は弱りきってるから、涙があふれてきそうになる。

安井にもまどちゃんにも嫌な思いさせちゃったな。
そのまま昇降口に向かい、下駄箱をあけるとそこに封筒が入ってた。


「これ…。」


萩谷くんがさっき話してた写真かもって直感的に思った。
樹くんが入れてくれたのかな…きょろきょろしても見当たらない。
カバンにしまって数えきれないほどため息をつきながら家に帰った。
その写真を見る元気もなく机の引き出しにしまうと携帯が震えた。


ちび今日のあれまじごめん
別に気にしてない
ちびでもごめん
しつこいよちび
ちびちびって言うな!
気にしてんだぞ、これでも!



長いこと友達だとお互いの温度感をメッセージから察知できる。
今日のは完全に私が八つ当たりした。
本来、私が絶対的に謝るべきなのに安井はこういう人。

明日は普通にしようと決めてテスト勉強をしないでベッドに入った。

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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時

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