09 捜索願:わんこのキモチ ページ35
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体育祭も文化祭も終わり、12月上旬の期末考査を残すのみ。
私は来年の1月に行われる美術コンクールの準備で毎日バタバタしている。
みんなも同じで、まどちゃんも安井も京本も部活の大会前。
テストが終わったら忘年会をしようって、クラスで計画をしてたり。
まだまだ楽しみなことがたくさん待ってる。
いつも通りの毎日に少しだけ変わったことがある。
「そういえばさーあ。」
「まどちゃんここ間違ってる。
安井、そこ全然違う公式使ってるよ。」
「うそだ・・・この公式じゃん!」
「それじゃなくてこっち。」
「ねーみなちゃん。」
「なーに?」
「最近わんこ来ないね。」
「教室に来たことはなかったけどね。」
「文化祭の前日来てたじゃん。」
「あーそういえば。」
「なんかわんこ全然遭遇しないね。
生きてるのかな?」
「生きてるでしょ。
まどちゃんなに言ってんの?」
あの日以来、樹くんを見かけなくなってしまった。
1年生のクラスを通る時、昼休みの校庭にも居ない。
校内を歩いてる時、いつもより周りを見ても見つからない。
樹くんは私をいつも見つけてくれたのに、私は見つけられない。
それほど広くない校内でどうしてこんなに見つからないんだろう。
「でもよー不思議だよな。」
「ほぼ毎日“みなみせんぱーい”って来てたのにね。」
「きっともう飽きちゃったんだよ、からかうの。」
「そんな風には見えな…」
「安井にはわからないでしょ?」
「みな?」
「もういいよ!樹くんのことは。」
「お前なんだかんだ好きだったんじゃないの?」
「そんなわけないじゃん。
私コンクールの準備あるから行くね。」
「ちょっとみな。」
「明日わからなかったとこあったら聞くから。」
机の上に出してた、ノートと教科書をカバンにしまって教室を出た。
でもそれに気付くには遅くってもう戻れない。
樹くんのこと好きになっちゃったんだ。
少しだけ恥ずかしかったけど、楽しかった毎日を寂しく思う。
ひまわりみたいな樹くんの顔を思い出すたび恋しくなる。
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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時