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タイミングを逃すまいとブレザーの裾を軽く引っ張るとびっくりする樹くん。
「バスケ観に行くからね。」
「えっと…待ってます。頑張ります!」
そう言って照れながら笑う樹くん。
ひまわりみたいな笑顔を見せてくれた。
昨日は見れなかった笑顔を見て自然と笑ってしまった。
「あいつ可愛いよな。」
「安井すんごい仲良くなってるし。」
「人懐っこいってほんとだわ。
嫌な気がしねーもん。」
「でしょ?」
「やべ。俺もう行くわ。」
「じゃあまた遅番で。」
「おう。」
安井を見送って中に戻る時に気付いたけどすごい行列になってた。
うまーく回せるようにみんなで協力をして中番と交代する。
まどちゃんに捕まえる前に抜け出して、1人樹くんのクラスへ移動する。
昨日よりも人が多い中庭で食べるのは無理そうだから、買って移動することにした。
やきそばの列の一番後ろに並んで順番を待つ。
「こんにちわ。」
「おひとりですか?」
「うん。焼きそば1つとこれお願いします。」
「樹から聞いてます。
ちょっと待ってくださいね。」
森本くんが半袖で焼いてて海の家にいるみたいな気分になった。
屋台にはコルクボードが備わっていて、たくさんの写真が貼ってあった。
私と安井の写真は真ん中あたりにあって少し恥ずかしい気持ちにまった。
焼きそばを森本くんから受け取り、写真を見ながら待ってると白い箱を持って松村くんが戻ってきた。
「これ、樹に頼まれてたプリンです。」
「ありがとう。
わざわざ箱にまで入れてもらって。」
「昨日女子に頼んで作ってもらってました。」
「そうなんだ。うれしいな。」
「席用意できなくてすいません。」
「大丈夫。食堂行くから、樹くんによろしくお伝えください。」
「はい。じゃあ俺戻ります。」
爽やかな子だなーって思いながら食堂へと向かう。
まばらな人の中空いている席に座って焼きそばをあける。
ソースのいいにおいで食欲をそそられて、一口食べる。
昨日のツタンカーメンとは違うけど、これはこれでおいしい。
今日はプリンも貰って、樹くんが育ってきた味を知ることが出来た。
なにも知らなかった樹くんのレア情報。
少しずつだけど、ただの後輩から仲の良い後輩になりつつある。
でも好きか嫌いかと言えば好き。
自分の気持ちに嘘はつけない、このくらいの温度感が私らしいと思う。
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初音(プロフ) - kikiさん» いえいえ!この作品の樹君がすごく好きで!これからも応援してます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 初音さん» なんとお恥ずかしい・・・!rを打ってしまったことに気づいた時にはもう初音様がお読みになられて・・・早速読んで頂き誤字を教えてくださりありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: efa8082a4b (このIDを非表示/違反報告)
初音(プロフ) - Mrsだと既婚者になってしまいますよ(苦笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: c0fa5c81b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiki | 作成日時:2019年2月13日 1時