ただ愛してしまった。-Part.2-【名前変換】 (ページ39)

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□Story.89 ページ39

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裕翔「…………そんな顔しないで。

俺、どうしていいか分からなくなるから。」

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どうしていいかが分からないのは私なのに。

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想いが重なったと思っていたのに、

玲衣さんにお兄ちゃんは行ってしまって……

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侑李との関係も曖昧すぎて。

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苦しくて仕方がなくて。

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堪えようと思っていても涙が伝って、

急いで顔を下げて、上手く髪で涙を隠した。

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裕翔「泣いてんでしょ。」

あ「…………泣いてないもん。」

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裕翔「嘘。すぐわかるんだから。」

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お兄ちゃんの少しひんやりする指先が頬に滑るように

当たって、涙を優しく掬う。

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お兄ちゃんとしての優しさは今の私には辛すぎた。

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あ「何で…………」

裕翔「ん?」

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あ「お兄ちゃんは玲衣さんを選んだの……

やっぱり、私が泣き虫だから、面倒だから?」

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その点、玲衣さんは何でも一人でできそうで

強そうで、綺麗で、完璧で……だから。

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裕翔「……………玲衣の話はやめよ。」

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そう言って、私に背を向けて歩き出したお兄ちゃん。

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大好きなお兄ちゃんが離れて行ってしまう。

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お兄ちゃんが玲衣さんと付き合っていると

分かっていても、ｺｺﾛは…………

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体は理性に従ってくれないの。

理性を捨てようとするの。

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あ「玲衣さんと付き合っててもいいから……傍にいてよ。」

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