ただ愛してしまった。-Part.2-【名前変換】 (ページ37)

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□Story.87 ページ37

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少し気まずい雰囲気のまま侑李に家まで

送り届けられて。

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彼の姿が消えるまでその背中を見つめて

家の中に入ると胸が苦しくなった。

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ﾘﾋﾞﾝｸﾞから聞こえるお父さんとお母さんの怒鳴り声。

思わず耳を塞いで玄関でしゃがみこむ。

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本当のお母さんとお父さんが別れる時のことを

思い出さずにはいられない。

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あの時もそうだった。

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最初は仲がよかったのにいつの間にか喧嘩が増えてて。

家で怒鳴り声しか聞かなくなって、

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ﾊﾞﾗﾊﾞﾗになった家族。

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だけど、すぐに“家族”ができた。

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戸惑う私に優しく笑いかけてくれた人。

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裕翔「また、やってんのか。」

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耳を塞いでいる私の手に重なる大きな手。

初めて会った時と変わらない優しい笑顔。

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裕翔「終わるまで…………お出かけしよっか。」

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今帰って来たばかりのお兄ちゃん。

だけど、またすぐに出て行って……

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私は置いていかれないように横に並んで。

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さっきまで包み込んでくれていた大きな手が視界に入って

思わず、その手に自分の手を伸ばした。

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お兄ちゃんは拒否することも無くて。

歩いている間ずっとその手にしがみつく。

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裕翔「…………寂しがり屋で

甘えん坊さんのAちゃん。」

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あ「そんなことないもん。」

裕翔「そんなことあるじゃん。」

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