ただ愛してしまった。-Part.2-【名前変換】 (ページ19)

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■Story.69 ページ19

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遊園地からの帰りは二人の間に会話は無くて。

繋がれた手がそこにはあった。

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歩き疲れて、泣き疲れて。

Aは俺の肩を借りて隣で寝ている。

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このままどこか知らないところに

二人で行ってしまおうか。

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何て変な考えが浮かぶけど、

上手くいかないのは分かっている。

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俺のせいでAをこれ以上

傷つけることは、

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不幸にさせることはあってはならない。

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裕翔「A、降りるよ。」

あ「んー…………うん。」

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夕日に染まった街。

道路に映し出される二人の寄り添った影。

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ｶｯﾌﾟﾙの時間はあと数分で終わって、

兄妹の時間へと戻る。

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ほら、この家の扉を開けてしまったら

またいつもの二人に戻るんだ。

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裕翔「夜ご飯、俺が作るからそれまで

部屋で休んでな?」

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まだ寝たりないようでAは瞼を擦りながら

素直に頷くと二階の部屋へと階段を昇って行った。

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親なんて帰ってこなければいいのに。

最低な考えが浮かびながら料理をし始めると……

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ﾎﾟｹｯﾄのｽﾏﾎがぶるぶると震えはじめた。

玲衣かな、そう思ったけど確認すると涼介。

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ぬれた手を拭いて、ﾛｯｸを解除すると

慌てた涼介の声が届いてきた。

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裕翔「声でけぇ。適度なボリュームで……」

((宮下が…………事故った。))

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ｽﾏﾎを落としそうになった。

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“私、死んでもいいの?”

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あの言葉は本気だった?

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