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■Story.61 ページ11












ムカつくほどに綺麗な夜空を見上げて

俺は家路へとつく。





























手を伸ばしても届かない星は

きっとA。





























目ではこんなに綺麗に見えるのに

すぐ近くに感じるのに、





























手を伸ばすと、触れようと思うと

思った以上に遠い。







































そんなどこかの恋愛小説みたいなことを

思っていると、ポケットのスマホが震えた。







































裕翔「もしもし?」







































((お兄ちゃん……))







































電話越しでも泣いているのが

すぐわかった。







































裕翔「何かあった?」







































まさか、玲衣が何か…………

それとも、侑李とか言うヤツにまた…………







































((早く帰ってきて、お兄ちゃん……))

















































何があったのかは分からなかったけど、

俺は急いで自宅に向かった走り出す。







































ドアを開けると、Aの声より先に

届く二人の声。







































「違います、私は!貴方だって……」

「俺は一生懸命働いてるだろうが!」







































父さんと母さんは喧嘩の真っ最中で

Aが電話をかけて来た理由がわかった。







































あ「お兄ちゃん……お母さんとお父さんが……」

裕翔「ん、分かってる。」





























頬に伝う涙をそっと指で掬って

俺は小さな手を引いて家を出た。







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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2013年6月23日 5時

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