188 -第8章 終- ページ30
TVの中の声は、次第に大きくなっていった。
「…我々は何も出来ないんでしょうか。」
降谷は言葉に詰まった。
思わず、書類を持つ右手に力が入る。
「……」
俯いた視界の先、その右手に握る書類にふと目が止まる。
英語で綴られたその報告書の中のある英単語が、降谷の視線を釘付けにした。
【pxxx xxxgxxxxxx】
「…そうか…っ」
「降谷さん…?」
下を向いていた降谷が顔を上げた。
突如として、降谷の纏う空気が変わった。
しかし、その空気を部下達はよく知っている。
そこに居たのは力強く他をリードする、いつもの降谷だった。
「ここで諦めたら…
俺は堂々とAの横を歩けないな。」
「降谷さん…?」
「俺達は、俺たちにしか出来ない事をしよう。」
「…はいっ‼」
降谷の帰還に部下達は湧き、野太く力強い返事が部屋中に木霊した。
「誰かFBIに連絡を入れてくれ。」
『自分以外に、彼女の隣に相応しい男なんてこの世にいて欲しくないって思ったんだよ。』
A
やっぱり俺は、お前の横を、手を取って堂々と一緒に歩きたい。
悪い、A。
会いに行くのは、暫く後になりそうだ。
あの日のAを迎えに行くよ。
だから
その時まで、さよならだ。
ー第8章 終ー
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虎鉄(プロフ) - まみこさん» まみこ様、私こそ深夜にすみません!こちらにまで涙。一気読み+コメントする時間まで割いて下さり本当に有難うございます!松田氏なりに降谷氏とは違う道を進むのでお付き合い下されば嬉しいです。大切に書いた話なのでそう言って頂けて感無量です。 (2022年7月24日 0時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 応援してます!!本当にこの作品は神です!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - こんばんは!!真夜中にすみません💦一気読みしました!マジで感動しました!!あー、夢主ちゃん良かったね!!と、保護者のような気持ちで読んでましたねw松田さんのほうも読んでます、頑張ってくださいね!! (2022年7月16日 1時) (レス) id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
虎鉄(消えた捜査官松田ver作成中)(プロフ) - ひゆめさん» ひゆめ様、一気読みのお時間頂戴しまして……!かつコメントまで下さり本当に有難う御座います。クロサギ懐かしいですよね(^^)当時は全く意味分からんまま見てましたが笑。読んで下さってありがとうございました(^^)!2と合わせての返信で失礼します。 (2022年6月12日 10時) (レス) id: 4e898d55ea (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 同じく一気読みしました!!クロサギ懐かしいと思いながら進めていたら凄く惹き込まれました。とても面白かったです。 (2022年6月12日 0時) (レス) @page50 id: 141a54d8d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:虎鉄 | 作成日時:2018年6月2日 0時