191: …やりすぎた? ページ5
部屋を暗くし私はゴーグルをかけて
少し目が眩むような光を一瞬見せてから
前に快斗から教えてもらった特殊なライトを
彼に向かって当てみた
(ま、マジシャンからみたら宝の山と言わんばかりのあの部屋で父の盗一さんが快斗に残した大切な遺産だからね、
絶対秘密にする……)
快斗が使えるものは持ってた方がいいと私に託してくれた
ゴーグルを通してある男の素顔が一瞬浮かび上がる
一瞬の間に何事もなかったように電気をつく
「おいおいおいおい
…なにやってるんだよ」
反射神経が鋭そうな二人にでもこの早業と明暗トリックには狼狽えるだろうと思っていた
狙った通り昴さんは一瞬反射的に目を瞑った
が、次の瞬間まもなく私に攻撃を繰り出しており
私は彼に締められたり、目潰しされたりとまではいかなかったが
ゴーグルははねのけられ、床に叩きつけられた
(こわぁぁぁ
まぁ私はゴーグルを囮に逃げたんだけども…)
思いもよらないところで快斗の得意技が役に立った
そして名探偵を盾にして彼と対峙している
状態である
「だって、誰も明かしてくれないんじゃ暴くしかないだろ?
どうせ君から私の情報は教えられてるんだろうから」
「いーや、女子高生としか教えてねーぜ?」
「まさかこんないたずら好きな方とは思いませんでしたが…ね」
といいながら少し戦闘モードの昴さん
「もうやらないから勘弁して下さい
男女関係なく絞められそうだけど、
これでも名探偵の依頼人だから手を出さないで下さい」
内心初めて瞳をみたさっきよりも
数百倍恐かったのだが、
ここまでしないと得られない情報だということは分かっていた
堪忍したというように私はRUIの姿を
解き、高校生に戻った
「ハーフさんだったんですね、だからエメラルドの瞳…」
あと大学生のお兄さんではないだろうな…
「…本当に沖矢さんの素顔をみたんだな」
「そりゃ勿論、かといって知り合いじゃないからどこのだれだ!って他の人に言えさえもできないでしょ
と言うか目の下の隈……」
ちゃんと寝られてますか?と尋ねたら
探偵がそれは大丈夫だとなぜか代わりに答えてきた
夫婦か!と心のなかでツッコミを入れた
制服姿になると、別人に見えたらしく二人とも誰?って顔を一瞬した
(あぁ、名探偵に本来の姿を見せるのも久し振りか)
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作者名:ラズリー | 作成日時:2021年6月21日 8時