201:#FIELD! ページ15
無口な彼もそれには驚いたようで、声こそ出さないが
ジーッと見つめている
「んー?あんま好きじゃなかった?
なんかそういうの好みそうだから渡したんだけど」
「いや、あんたどうしたんだよこれ
めっちゃコルンの趣味だね」
「うん」
「もうドンピシャだよ、あんたどこで見つけてきたのさ?」
「んーどうだろうね?」
(バーボンぐらいだったらこれくらいの物、用意くらい出来そうだけど)
同じものを持っていたとしても、コレクションをするほど気に入っている、ちょっとマイナーな革製品だった
「お前、武器、扱い上手い」
「そう?
まぁその分なくしものも多いだろうね」
テネシーが得意とするスローイングナイフ、いわゆる投げるナイフ、投擲武器はなくすことは日常茶飯事だ
その分、投げない武器は長持ちさせようとする
「とはいえあまりなくしたくないな
金がかかるし、痕跡を残したくない
まぁ、これでまたしばらくは持つだろう」
そういうとコルンの横で寝始める
「風邪、ひく」
「んー?」
「ありがとう」
「こちらこそ」
キャンティが気を遣うなんてと目が点になっているのをみて少し笑う
「コルンと、ぐらい仲良くなると良いわね」
「口を開けば嫌味をいう、あんたにはいわれたくないよ」
「別にキャンティがそれをいわなくてもいいじゃない
私は貴女にいってないわ」
「よしなよ
どっちにせよ、バーボンは手厳しくて完璧主義、
俺とは合わないさ」
「でも思考回路は似てそうじゃない?」
「どーだか」
「どうでしょうね」
何を考えているんだコイツは
俺に借りでも作った気でいるのか?
こういうときわざわざ似たようなコメントをしないでほしいな面倒なやつめ
と、お互い頭の中に急速で駆け巡った毒舌を知らないふりをしてベルモットをみたら、さすがの彼女も首をすくめて苦笑いをした
話が終わると早速テネシーはコルンの横で目をつぶる
コルンの横にいるのはコルンとキャンティは裏切らない限りなんだかんだ力になってくれるだろうと知っていたからだ
この金髪の兄貴が正義感の塊だということに
いつこの人たちが気付くだろう
下手なことは面倒なのでしないでくれ
あと、自分には極力関わらないで欲しい
そう思っているのに変に挑戦的に絡んでくるのは止めてくれ…
面倒なことになる
ただの省エネな性格の彼は、バーボンが他の人ではありえないほどの緻密で熱い、自分と正反対な男だということは、誰よりも知っていた
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作者名:ラズリー | 作成日時:2021年6月21日 8時