華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

58:すっかり忘れてた ページ9

「……あー！！！

そういえばさ」


Aがいきなり大声あげる



「なんだよ、いきなり」



「あ、ごめん…その、今日の学校のやつ…」


「あー、昼いってたやつな」


俺も忘れるところだったわけで

あんなに必死になって授業受けたの初めてだってのに、
Aに会ったらもうそれで満足してしまったみたいだった



「ごめん、教えてもらうの忘れないうちに教えて
なんかちょっと心配な部分解消したいし」


「あぁ、俺も忘れるところだったし…

あ…

フッ…笑」


ふとAをみると片目瞑って拝んでる訳で
なんか…


…無性に嬉しかったわけで



「ん？、何？」


「いや、

…ぁ、そうだA、
俺の家庭教師上手すぎて腰抜かすんじゃねーぞ笑笑」


(なんせオメーのために必死になってやったんだからな)

それにしてもこんなに嬉しい気持ちになったになったのは久しぶりだ
正直久しすぎて感情が狂いそうだ


「お〜っ！楽しみにしてるっ笑笑」


(え////)


にっこり笑った彼女の顔をみて
確かに心臓が跳ねたわけで…



「えっと奥の部屋の方がいいかなぁ〜
勉強机の方が書きやすいでしょ？
とりあえず書くものも一式あるし
ノート荷物からとってこないとね…


ってあれ？」


俺はボーッとしてて、
気付いたらいつの間にか

少し離れた彼女の姿があった


「おーい、こっちでお願いします、
先生〜ぃ笑笑」



「お、おぅ…今いく」



「あれぇ？どうしたの笑笑

ありゃぁ、急に私に教えられるか不安になったのかな？笑笑」



「バーロ、そんなわけねーよ」


「そう？笑笑」



(くそっ、からかってるのも今のうちだからなっ！)



……なんて思いながらも俺の鼓動は
落ち着きを忘れていた


はじめようとなって席に着いたがなんだか落ち着かない

(な、なんか近いな)
教えるとなると真横に座っていて顔が近くなる
落ち着かないからか自然と遠くから彼女の文字をみては指摘する

「そうか、ここは新しいとこだからな
さっきより手の動きが遅くなったわけだ」

「んーなんとなく言いたいことはわかるんだけどねー
とっかかりが悪くてさ
えっと…ここなんだけどね？」

指をさしたところに無意識に引き寄せられていく

「どうしても私の考え方だと辻褄が合わなくて…」

「あーそれは勘違いしてるぜ
ここはそれじゃなくて
…こう」
書き終えてふと見上げたらまた近くにAいた

「き、教科書とは少し違うけど問題集にあるから間違いねーよ」
咄嗟に問題集をみて離れた

59:勉強会→←57:マジックルームの約束

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す