華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

76:よぎる不安 ページ27

「あ、ああホントだ
いってみる、
もしかしたら俺のかもしれない
あれほんと気に入ってたんだよ

なら後で連絡するからそこで落ち合おうか」


「うん、じゃ、いってらっしゃい〜」

「一緒に行かなくてもいいのかね」

「はい、大丈夫です
あの〜、城山さん、この宝石のことで聞きたいことがあるんですけど…」

「ん？なにかな」

とりあえずすぐさまその場から放れて
人混みに紛れ込んだ

(……くっそぉ、白馬のヤロー
もう少しぐらい向こうにいろよ


こーゆー、ビミョーなとこで邪魔してくっから
本当に鬱陶しいんだよな苦笑)



ある程度離れてバレない位置にきたとき
そっと振り返ると
まだAが城山と話していた



白馬ももうすぐそこに行きそうだった
俺は念のためのマスクをしながら思った

Aも学校と雰囲気や格好が違うといえども
白馬とはクラスメイトだ

もしなにか感付かれたりでも
したら……

(Aのことがすごく心配だ
どうせなら宝石のことよりAを側に置いとくべきだった……


あ！！！

ヤベッ…)



白馬と目が合ってしまった
急いで人混みに紛れ込む



そのせいでAとは落ち合うことが難しくなった



とにかくトイレに逃げ込み、メールを打つ
ある意味別行動をしていれば
他人のふりで気にもとめないかもしれない
それを願うしかない


『オメーも支障来す前に逃げとけよ？


予定通りもうすぐ予告だから
ぼちぼちスタンバイしておけよな？

じゃ、例の場所で会おう』



(……A大丈夫か？

予告まで気付いたら10分切っている
もうすぐだ



今度は次郎吉じーさんとは違うから
トリックはお手軽にそしてソッコー終わらせる
あのじーさんは金を持ってるからか
やることはそれこそ派手だけど
今回はさっき持ち主が話していたように
ナイトメアに特殊なライトが必要で、それにお金をかけている

つまり他よりもお金をかけているため

館内の個数は変わらないにしろ
電力は通常より多く負担がかかっているはず

それだけショートするのも簡単だし
…まぁわざわざそんなことしなくても
いーけどな



とりあえず済ませてしまおう
なんたってAが待ってるからな



はぁ……

集中しよう、
これ以上色々と余分なこと考えたら
ミスるかもしれない
それは命取りだ)

深い深呼吸をしてショーの準備をする


スマホからメールが入る
『分かった、頑張ってね』

そう手短に返したメールを横目に
俺は移動を開始した

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