華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

75:阿吽の呼吸で ページ26

誰かと優雅に話し込んでいる城山
そこに俺たちは接近する



「でもナイトメア・ボールって
テレビとかでみると
紫が濃い不透明に見えるけど…

…近付いてみると結構透けているのね」



「だよな、イメージしたのと違うな
光の加減じゃないのか？」



(こういう人って自分の自慢の所有物について
質問とか投げ掛けられると
答えたくていてもたってもいられなくなるんだよな

向こうにも聞こえてるはず
来るのも時間の問題だな)



「んー

でもテレビの撮影とかって凄い照らされるじゃん
ちゃんと反射させるためにみたいな黒い板持っている人もいるし、

普通に考えて、より明るく照らされるテレビの方が透けてみえるんじゃないの？」


「そうだよなぁ、なんでだろう」


「お嬢ちゃんたち、
ナイトメアに興味あるのかね？」


(よし、かかったぞ)


「え？ぁはい！あの、

キッドの狙った宝石だから
きっと魅力的な何かがある宝石なんじゃないかなって

気になって見にきたんです、ね？」

「おぅ」
(A、相変わらず上手いな演技…苦笑)
知りたがりの子供みたいに無邪気な笑みを向けられた

「そうだ、それはスリランカから入手したものでね、少し特殊な宝石でもあるんだよ
このナイトメアは光の当たり具合で微妙に見えかたが違うんだ
この証明はよりその魅力的な輝きをみせるため
特殊なライトを設置しているんだよ」


「へー」

「特殊なライトですか」

「そう、ただ強い光となるとそれなりにコストがかかってね、テレビ会社の映像をうつすにはあと数倍くらいの設置をしないといけないから断念したよ」

そういったAが俺に目配せした

「なるほど、テレビ会社が使うような普通の光だとダメなんですね？」

「そういうことだよ…あとそれはね」

とりあえずAの狙いは、
宝石を確認すること

手順はまず、宝石の持ち主から情報を聞く
俺が城山と話している間に確認する手筈だ
特殊ライトとやらのうえから
彼女が所持したライトを照らし、
彼女の目当てのものかどうかをみる

条件が合わなくて光らない場合にも備え
必要であれば停電させる準備も出来ている
だが……


「…
…あ、
ねぇ！
向こうで落とし物がどうとか行ってるよ？」


「え？」


なんだ急にと思ったが
近くに白馬が居ることに気が付いたらしい

「さっきスマホのお気に入りのストラップ、
なくしたって言ってなかった？
いってみたら君のやつかもよ？」


俺を逃がすつもりだ
俺ははぐれたくなかったのだが……

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