華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

74:繋がってる手 ページ25

「おっと、危ないな…苦笑
っていうか折角待ってたのに可哀想だね」


「そーだな
にしてもやっと建物に入れたなぁ
待ちくたびれたぜ
……中にはいっても混んでるけどな」


にしてもまだAの手を握っといて良かった
手を放したら一瞬にして見失いそうだ

彼女が人に飲まれないように後ろにつれていく

「…ありがとう//

私ひとりだと押し潰されそうだよ…

んーでも君も案外華奢だから危ないかもね笑笑」

とキュッと手を握り直したAに
とっさに振り向いた


「バ、バーロォ 体力とかが違う、
なめんじゃねーぞ…ったく」

…正直、思ったより顔が近かったのと手を握り返されたのとで、完全に動揺している自分を隠すのに必死だった


「そだね笑笑」
そんなことは露知らず笑っているA


(な、なんか恋人連れてるみたいな感じで
浮き足立ちそうだ、狩りをしにきたのに)

ふといかにも気取った感じで
いかにもそれらしい服を着たアイツを見つける


「A、右にいこうぜ」
と引っ張る
Aは大人しくついてきた


「…誰かいたの？」


「相変わらずのホームズ気取りの白馬だよ、
あいつ目立つからなあの服
俺正体バレてるっぽいからなるべく隠れて、会わないようにしないと
けーぶの娘である青子と一緒にお弁当を届けに来たっていう言い訳はできねーからな」


「なるべく、じゃなくて絶対でしょそれー
…ていうか情報筒抜けじゃない
派手な装置をつけるっていう噂あるけれど
仕掛けがバレちゃ意味がない苦笑」

とさりげなく周りを見渡すA



「こうなったら私がガードするよ
そこ、代わってくれる？」
と立ってた場所を交換させられた

「A？」



「こっちの方が死角になっていいでしょ？
此処広いとはいえ、君がバレたら元も子もないからね」

と微笑むAはやっと自分の役割を見つけたと嬉しそうだった



だがそれと同時に俺は不安を感じた

彼女は白馬から俺を庇っているが
Aだって同じクラスだし


俺といるのが見掛けられたら
やつのことだから不審に思うか気になって探ってきそうで
幸い彼女はいつもとは違う雰囲気だから
バレにくいかもしれないが
どっちにしろAを巻き込みたくない

それに彼女は学校も今休んでいるのだ


……早めに切り上げて終わらせよう
と思った矢先に城山竹永がいた


「居たぞ」

場所的にも今の城山の位置だと白馬から
見えにくいからな


誰かと優雅に話し込んでいる
そこに俺たちは接近した

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