華麗なる奇術師たち 2【怪盗キッド】

70:行列の中で ページ21

……




「では、御二人とも気をつけて」
神田さんが少し例の博物館の前で車を横付けして
俺達を送ってくれた


「うん、行ってくるね〜」

「神田さん
ありがとうございました

……」



「？……あれ、どうかしたの？」



「え？いや……」

(Aの私服、始めてみたかもな
ルームウェアは見たことあるけど

見る順番っての普通逆だけどな笑笑)


いつもそうだけど、落ち着いた配色で
より大人びてみえる
おまけになぜかメイクまでしている

真正面から眺めてたらまた顔が赤くなりそうだ


「よ、よし行こうか、
すごい並んでるしな苦笑」


「そうだね苦笑
相変わらず人気者だね君は」


隣でクスクス笑ってる


(今夜も調子よさそうだな)

少しホッとする

「いや、RUIに言われても……

ぁ、こっち並んでるぞ」


入り口入ったら沢山の人が
博物館を囲むようにしてようやく最終尾を見つける
二人で並んで待つ


「今日は何してたんだ？
昨日よりは大分調子良くなったみたいだけど」


「ん？……私？本当に？良かったぁ

…ただ寝てただけだけどね
ちゃんとご飯も食べて睡眠もしていいかんじだよ
まああとは運動すれば完璧なんだろうけど」


「オメーは休養不足してたんだ、
運動しなくても、それでいーだろうよぉ」

「そうかなあ」

「そいやぁ、不思議に思ったこともあったんだよな」

「何に？」

「いや不思議ていうか驚いたんだよな
体育のときさ、どちらかというと読書しているイメージが強くて
運動苦手そうなAが何気に運動できるところが」

「えー、何見てそう言ったの？
運動そこまで得意じゃないけど」

「確か体力テストのときにみた」

「ええ？あれって男女別でやってなかったっけ」

「持久走、確かクラスでもトップクラスだったよな」

「…
あーあれか笑」

「あれA、運動部より頑張りすぎて倒れたらしいとか最初は噂になってたぜ」

「確かあのあと即早退したんだよね
ただ単に時間がなくて急いでたんだよ
クライアントが予定を急に変更するから」

「うわ、大変だなあおめーも
ただそのあとに飲み物を自販機に買いに行った小森が
制服姿のAが封開けてないお茶もらってそのまま走っていった
ってみんなに言ったから
おめーに負けて悔しがってた運動部がポカーンてしてたぜ」

「あはは苦笑
お茶が荷物になったからつい笑」

「よく体力もったよな

！！」

Aと話していたら
Aの後ろの通路を通る子供が
はしゃいで走ってきた


「ぶつかる！」

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