健人担ですけどなにか？ Fuma.K (ページ43)

今日:28 hit、昨日:44 hit、合計:488,284 hit

★42 ページ43

.

『わーい、海だ！』

そう言ってサンダル脱ぎ捨てて海の方へと走っていくAちゃん。

冷たーい、なんて足入って喜んでる。

そんな姿が可愛くて、思わず頬が緩んでしまいそうになる。

『ねー、何やってるの？

きくちも早くおいでよ。』

「あぁ。」

そう言われ俺もそっちに行くことにした。

『えい！』

「え、ちょ、やめろよ。」

行くといきなり水をかけられた。

って言っても手ですくっているだけだから、ぜんぜんかかってないけど笑

『いいじゃん。

こーゆーことするから、海って楽しいんだよー。』

「だからって着替えとか持ってきてないだろ。」

『まあ暑いからすぐ乾くって。えい！』

そう言ってまたバシャバシャと俺に水をかけてくるAちゃん。

一応女の子だから水かけるのはあれかなーと思っていたけど、Aちゃんは辞める様子もないから…

「もうお前ー！」

『キャ！

ひどい！私そんなにかけてない！』

「は、今ずっと俺にかけて来てただろ。」

『いや、私は優しくかけてたもーんだ。』

そう言いつつ、また水をかけてくるAちゃん。

それに応じて俺もかけ返す。

『やる気？』

「もちろん。」

そっからはもう、バシャバシャバシャバシャ水のかけ合い。

…かと思ったら。

『わっ！』

「え、」

Aちゃんがいきなりつまずいてきて、そのまま俺の胸に飛び込んできた。

俺も受け止めようとしたら、なんかハグしてるみたいになっちゃって。

彼女との距離は０センチ。

心臓バックバクなんですけど…

『ご、ごめん。』

なんて照れながら言う彼女。

ずるいんだって。

そうやって、俺のほうに転んで抱きついてきて、おまけに恥ずかしそうにしながら上目遣いで謝ってきて。

なんでここまで俺がドキドキさせるの？

こいつといると調子が狂う。

「はぁー、もうお前ってば。」

そう言って俺はAちゃんの手を取った。

『え…』

「お前にまた転ばれたら困るから。」

そしたらAちゃんが顔を赤らめてる気がした。

夕日が差しているせいではっきりとはわからないけど。

もしかしたら少し俺に気が向いてきているのかもしれない。