健人担ですけどなにか？ Fuma.K (ページ33)

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「え、うそ。

朱里…！やばいやばいここめっちゃ近い！

そこに花道ある！ステージも近い！！」

『わーAすごいじゃん！

てかそこの通路トロッコも通るんじゃない？』

「あ！そうかも！！
もうやばい、こんな神席初めて…！」

今までも、まあまあ近い席はあったけどここまで近い席は初めて。

ここなら健人くんにファンサもらえるかも！

「Aテンアゲですな。」

『うん、テンアゲテンアゲ～！』

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コンサートが始まって会場が徐々に盛り上がってきたとき、隣のきくちのファンの女の子が騒がしいことに気がついた。

どうやらすぐ近くの花道にきくちがいるらしい。

まあそりゃー近くに来たら嬉しくて騒ぐよね。

私も健人くんばっか見てたけど、たまにはきくちも見てみようかな。

そう思って目線をきくちに向けたとき、

『あ…』

ちょうどあっちもこっちを見てて、目があってる気がした。

状況がわからず固まっていると、きくちはニコッと微笑んで他のところに行ってしまった。

するとその瞬間、隣のきくち担からの黄色い悲鳴。

「今、目あったよね！？私のこと見てたよね！？笑ってたしかっこよすぎ！」なんて隣の友達に話してる。

今のは隣の子に向けてだったのかな。

風磨っていううちわ持ってたしな。

私なんかにするわけないか。

適当にここら辺を見て微笑んだだけかもしれないし。

まず、こんなにたくさんいるんだから私のことなんか気づかないよね。

別にいっか、誰に向けたのでも。

私、健人担だし。

健人くんもこっちに来ないかなー。