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Fuma side
『コンサート楽しみだなー♪』
「そんなに俺を見るのが楽しみなのかー。」
『ううん!健人くん見るのが!』
軽いボケをサラッと流され真面目に返された。
それに何気に振られたし。
「そんな笑顔で俺のことを否定するなよ!
俺が傷つくだろ。」
『大丈夫だよ!』
返しになってないし…
「マジで俺のことも見てよ、な?」
『ま、まぁ、いいよ。』
そう渋々返事をするAちゃん。
「おめぇ、その返事ぜってぇ見ないだろ!」
『見る見る!ソロ曲の時とか、目に入ったら。』
「はぁー、なんかちげーだよな。」
『あはは。』
そんな話をしてたらマンションに着いた。
あともう少し一緒に居たかったななんて思ったりして…
でもAちゃんはそんなこと1ミリも思ってないのかスタスタとマンションのロックを解除して中へ入っていく。
『じゃあね、バイバイ!』
「え、お前エレベーター乗らないの?」
そのままエレベーターに一緒に乗るのかと思ったらなぜか階段の方へいくAちゃん。
『コンサートまでダイエットがてら階段使おうと思って。
待ってるのも面倒くさいし。』
「…ダイエットしなくても充分スタイルいいのに。」
俺はAちゃんが聞き取れない程度にぼさっと呟いた。
『ん?今なんか言った?』
「ううん、なんでもねーよ。
てかお前何階に住んでんの?」
『3階だよ!313号室!健人くんの誕生日!』
「お前そこまで中島の…。逆に尊敬するわ。」
『ふふっ、ありがとう。』
なぜか今のを褒め言葉と受け取ったのか、喜んでるAちゃん。
案外単純?
『じゃーね!きくちー』
「ん、じゃあな。」
俺は階段を上っていくAちゃんに手を振った。
しばらく見つめているとAちゃんがいきなり振り返った。
『あ!コンサートまたきくちがプロデュースするんでしょ?いいもん作ってね!』
そう言って去っていってしまった。
当たり前だろ、俺が作るんだからいいもんになるに決まってんじゃん。
彼女はずるい。
帰ったって油断したときにこうやって俺を落とすような言葉言ってくるんだから。
天真爛漫なAちゃん。
そんな彼女の笑顔が頭から離れない。
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フクフクがかり(プロフ) - とても面白いです!更新まってます! (2018年7月5日 16時) (レス) id: d2823985a1 (このIDを非表示/違反報告)
hiyo - サイコーーーー (2018年5月23日 20時) (レス) id: b9bc295153 (このIDを非表示/違反報告)
ふま - 更新楽しみ! (2018年5月5日 4時) (レス) id: 61e4e164fd (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2018年4月29日 7時) (レス) id: e42b9a9f74 (このIDを非表示/違反報告)
なな - ふうまくーん!! (2018年4月16日 20時) (レス) id: b8ea8cbed1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆかたん | 作成日時:2018年4月11日 9時