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ページ29

暗闇の中でとんっと軽く押される肩
視界が効かないからか凄く軽くなのにバランスを崩して体は傾き始める
その何とも言えない感覚に驚いて咄嗟に手をついた。




「悪い子」

『ひ…っ』


あ、これやってやったのでは?と密かに思い当たるや否や
ぼそりと耳許で囁かれて、微かに耳に届いたのはふーっという無声音。そして耳に直でぶつかる息。
体勢を立て直すばかりかこれが大の苦手である私は変な声を出しながらぱたりとソファーに沈んだのである。
おのれ谷山紀章。


「おーこわいこわい」

『絶対思ってない…っ!!』


ニヤッと笑う彼が返事の代わりに唇が重ねられた。
口を開いていたこともあって簡単にねじ込まれた舌は
無遠慮に口内を掻き回してくる。

歯や上顎をなぞり、舌を絡め取るそんな深いキスは
ひどく長く感じられて
脳が拾い上げる快感にも未だに慣れない。



「は、ぁ…」

『ぁ……』


ようやく離された唇、銀の糸が互いを繋いで呆気なく千切れるのを酸欠気味の頭で見た。
その奥で恍惚に微笑む彼の余裕綽々といった表情。それに対して肩で息をする私。この違いが悔しいったらない。


『っ…!』


するりと持ち上げられる服の裾、つい数日前にもやられたそれに手を伸ばすが、呆気なく絡め取られてついでに掌にちう、とキスを貰う始末。思ってるより力が入ってないらしい。

ソファーの上で落ちないように丁寧に転がされて、またしても態とらしい音をたてて唇を落とされるのは腰。くすぐったくて思わず背中を反るが止まる気配は無い。

その次は背中。


また仰向けにされて唇が触れる。


手首、腕、胸、鎖骨、首筋、喉、そして耳。




「いい?」


低音が鼓膜を揺らす。
上目遣いっぽく見上げてくる瞳も熱っぽく、その視線は鋭い。
太股にはカタイ感触、私から一瞬たりとて視線を逸らさない彼はペロリと舌なめずりを一つ。グルル、と唸り声でも聞こえてきそうだ。

…悔しいけれど、すっかりその気にされてしまった私は彼の首へと腕を回して、ベッドが良いとだけ告げてまた少しお預けさせてやるのだ。



『…欲張り』

「俺を夢中にする君が悪い」

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愛夢(プロフ) - 紀章さん好きには堪らない作品ありがとうございます!!更新頑張ってください! (2023年2月6日 18時) (レス) id: 1fb4caaf97 (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - Yuiさん» Yuiさん、返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます!マイペースに更新しているのでまた覗いて頂ければ幸いです(*^^*) (2022年2月6日 20時) (レス) id: 1b7127d9e3 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 紀章さんファンなんで小説を作成してくれてすごい嬉しいです!続きを楽しみにしてます! (2022年1月16日 13時) (レス) @page5 id: 3c14c8fbd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:最小幹部 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2022年1月15日 8時

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