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微かに奥から聞こえてくる声。
思わず手に力が入れば、だいじょーぶと間伸びした声が告げて微笑んでくる。それだけで少し安心してしまうのだから旦那って奴はすごい。
…まぁ、だからといって不安というか緊張が綺麗さっぱり…とはならないけど、それでも幾分かマシとなった口内の乾燥を感じながら一つ頷いてみせる。
ちょっと待っててねー!
おとうさーん!きーくんとお嫁さん帰ってきたわよー!
なんて少し慌ててるような声がして、パタパタと足音が遠のいいく。
ほんとにきーくん呼びなんだ…
「んっふw」
そしてこの状況で笑いを堪え出す紀章さん。この人だけ余裕が過ぎると思う。
ドタドタパタパタと近付いてくる足音。
奥から出て来たのは優しそうな雰囲気の女性と男性。
「きーくん、おかえり
それで、そちらが…」
「噂の俺のお嫁さんでーす」
『ぅ…初めまして、柏村…じゃなく、て
谷山、司です。』
後ろに隠れていたのに、前に出されちゃどうしようもなくて、これ合ってるかな、なんて自分の名前に抱く感想かこれ。
でも、旧姓は柏村で、でも今は谷山で…と頭の中で柏村と谷山がぐるぐるぐるぐるぐーるぐる
「あらー、あらあらまぁまぁぶち別嬪さん!ねぇお父さん!」
「あぁ、ほんまにな」
「じゃろ〜?」
「さぁさ、上がって上がって」
『あ、はい。お邪魔します』
「司ちゃん」
『あー……ただいま、です?』
よろしい、とばかりに笑顔になる紀章さんと
どこか面影のある笑みを浮かべるお義母さん達に促されるままに家の中へ。
「あんたっやるじゃない!こんな別嬪さん!」
「いたっ、いたいいたい。ちょっ、母ちゃ、つよいつよい!」
「大切にするんだぞ」
「父ちゃんちょっとはやっい”っっでぇ!?」
見るからに興奮冷めやらぬ様子のお義母さんにバシバシ二の腕の辺りを叩かれ、口下手というか口数が少ないらしいお義父さんに背中に大きく1発貰って紀章さんがのけぞる。
その様子がなんだか面白くて、何より微笑ましくて口角は自然と上がる
『ぷっ、あははっ』
「ちょっ司ちゃん笑ってないで助けて!」
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愛夢(プロフ) - 紀章さん好きには堪らない作品ありがとうございます!!更新頑張ってください! (2023年2月6日 18時) (レス) id: 1fb4caaf97 (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - Yuiさん» Yuiさん、返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます!マイペースに更新しているのでまた覗いて頂ければ幸いです(*^^*) (2022年2月6日 20時) (レス) id: 1b7127d9e3 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 紀章さんファンなんで小説を作成してくれてすごい嬉しいです!続きを楽しみにしてます! (2022年1月16日 13時) (レス) @page5 id: 3c14c8fbd4 (このIDを非表示/違反報告)
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