5日目 ページ11
【Tukasa‐side】
年末まで1ヶ月もある、なんて思っていたのに
世の中は既に仕事納めだ、年の瀬だとそれこそ師匠も走り回っているのだから驚きだ。
振り返ってみれば、あっという間だった今年は
本当に色々あったなとしみじみ思う。
一番の思い出は言わずもがな、彼との関係性の変化である。
世間一般のプロポーズとは違うのかも知れないが、それでもある意味私達らしいのかもしれない。めっちゃ泣いた。
……それはさておき、見事無事に仕事納めを果たした私達は
とある場所に足を運んでいた。
場所は中国地方。
本州南西部に位置する山口県。の西部、宇部市。
つまりは彼の出身地で
目の前にそびえ立つ建物が彼の実家である。
『……いよいよですね』
「ガッチガチだねぇ」
『今なら胃袋吐き出せます』
「ラクダか」
中々早いツッコミ。私じゃないと見逃しちゃうね!(現実逃避)
てか敬語、だなんて今更過ぎる注意を聞こえぬ振りをして、手汗で湿る掌を彼の掌に合わせて、指を絡める。
『…なんですか』
「なぁんも?」
呆気に取られたように目を見開いたのも一瞬、すぐにいつもの余裕に塗れた笑みを湛えた彼が、ちゅっと手の甲に唇を落とす。そうして分かり易くご機嫌な彼に引かれて一歩また一歩と近付いていく。
「もうお休みなんだから敬語無しね」
『……誤魔化されなかったか、ちえっ』
「今まで散々誤魔化されてきてあげたからね?」
『ありがと〜…う』
あ〜惜しかったな〜なんて笑う彼、何がなんて聞いてみれば何が返ってくるか分かったもんじゃないと学んできたので口はつむんでおく。
ただいま〜と無情にも扉を開け放つ紀章さん、帰ったよ〜と緩い報告が何とも彼らしく、また実家に帰ってきた感がある。
……ウチの実家の時覚えとけよ。と思ったのは秘密である
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愛夢(プロフ) - 紀章さん好きには堪らない作品ありがとうございます!!更新頑張ってください! (2023年2月6日 18時) (レス) id: 1fb4caaf97 (このIDを非表示/違反報告)
最小幹部 - Yuiさん» Yuiさん、返信大変遅くなってしまい申し訳ありません。コメントありがとうございます!マイペースに更新しているのでまた覗いて頂ければ幸いです(*^^*) (2022年2月6日 20時) (レス) id: 1b7127d9e3 (このIDを非表示/違反報告)
Yui(プロフ) - 紀章さんファンなんで小説を作成してくれてすごい嬉しいです!続きを楽しみにしてます! (2022年1月16日 13時) (レス) @page5 id: 3c14c8fbd4 (このIDを非表示/違反報告)
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