二人のシルエット ページ10
フウカside
フ「ハァ…着いた。」
膝に手をついて、息を整える。
その時。
――――――――――――――ドォォォォォンッッ!
と、近くの崖に何かが衝突してガラッと岩が崩れ落ちる。
フ「え、嘘…。こんなに派手に戦ってるワケ!?」
そう言ったその時にも、ガラッと岩が崩れ落ちる。
思わず「ギャアッ」と女らしからぬ声を上げた。
と。
――――――――――――――ピュオっ!
あたしが立ってる隣に何かが落ちて…
――――――――――――――ドカっ!
と爆発音とともに弾け飛ぶ。
フ「うわっ!」
咄嗟に手でかばう。
煙があたしのまわりでモクモク囲んだ。
ゴホッゴホとむせて目を細める。
あり得ない。ただ立ってただけなのに…皆一体どこで戦ってるの。
すると
?「もうギブアップ?」
低く、轟くような…でも聞き覚えのある声。
すぐに近くの岩場に隠れる。
煙がなくなって、見えたのは二人のシルエット。
一人は苦しそうに胸元を押さえて、肩で息をしている。
…もう一人は、あたしがよく知る人に違いなかった。
フ「っう、そ…。何してんの…?」
目の前に広がる信じられない光景に、手で口を覆った。
…苦しそうにしてるのは『ディガード』の方だった。
あちこち傷だらけ。見ているこっちが苦しくなる。
そして。
攻撃を続けて、まさにこの状況に優勢なのは…
『チトセ』だった。
でも。決して喜べる状況じゃなかった。
だって、何か…。
チトセ、じゃない、気がして。
姿とか、声とかそのままで。
あれは『チトセ』なのだろうけど。
何かが違う。
…そうだ。何が違うって…
瞳の色が、違うんだ。
…ガッ
引きずる音がしてハッとする。
こっそり影から覗いてみれば。
見たときはディガードが苦しみながら、立ち上がっていた。
あたしが出会った時よりも目が虚ろで。
デ「き、み、強くなったねぇ……。ビックリだよ…。」
と狼狽えていた。
チトセは、と言うと余裕がある無表情でただディガードを見続けている。
真っ赤に光る瞳で。
フ「あれは…チトセなのかな…。」
あたしがよく知ってる、チトセなのだろうか。
敵でも、味方でも、どちらでも無くても。
目の前で苦しそうにしてる人を見たら…見てる方も辛くなるはず。
でも、何で。
あんなに無表情で見れるの?
どうして…そんな冷たいの?
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2019年9月16日 18時