生きたい。 ページ7
?side
すると、怒りもせず攻めもせず、優しく聞いてきた。
『ホントにここにいていいの?何もしなくて平気?』
その言葉に押されるように、意図もせず涙が溢れた。
平気なわけ、ないじゃん…。
皆を見てるだけなんて、嫌に決まってるじゃん。
皆と、まだ、一緒にいたい…。
『…嫌だ。』
そこで初めて声を出した。
天国に行ったら感情なんてなくなっちゃうって思ってたけど、そうじゃないんだ。
ちゃんと泣ける。
まだ、あたしの人生は終わってないのかな?
涙でぼやけた視界で彼を見る。
『…まだ、生きたい。』
生きたい、皆と一緒に。
泣き虫だけど優しくて、頼りになる親友と。
不思議だけど、いないと違和感感じるバカと。
出会ってちょっとしか経ってないけど、いつも明るくしてくれる太陽みたいな友達と。
いっつもいっつも笑ってて笑顔が印象的な、可愛い友達と。
美しさを身にまとっていて…昔の面影が強く残るプリンセスと。
最後の最後で、光を取り戻してくれた人と。
…小さい頃から守ってくれて、どんな時もヒーローでいてくれた幼なじみと。
まだ…まだまだ、ずっと一緒にいたい。
『死んじゃう、なんて…嫌だ…っ!』
ここで終わりたくない。
必死で出した声が嗚咽に変わっていく。
その時。
『…よくできました。』
『っぇ?』
ポンと肩を叩かれて、思わず間抜けな声が出る。
『君は生きるべきだ。』
その瞬間パアッと辺りが一瞬で明るくなった。
そして…意識が遠のいた。
―――――いいかい―――――
ポワポワする頭の中、そんな声が流れ込む。
―――――君は生きて地上に戻れる――――――
生きて…?
―――――そう。だけど、それが神が認めた『最後のチャンス』―――――
最後、の――――。
―――――ラストチャンスをどう使うか…それは君次第だ―――――
あたし…次第――――。
―――――さぁ、仲間を助けに行ってくるんだ…それが君が生きる為の道だよ――――――
一区切りずつ頭に入れてると…何が何だか分からなくなった。
その時。
―――――行っておいで…いつもそばにいるからね、フウカ――――――
そうだ。
この声をあたしは一番よく知っている。
ギュッと目をつむって、カッと見開く。
あたしはここで、諦めちゃいけないんだ――――――――っ!
6人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2019年9月16日 18時