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フウカside
フ「な、何…?」
引き寄せられて、ドキリと跳ね上がる心。
近くにいる、幼なじみ。
…なんと、あたしは抱きしめられているのだ。
もちろん…チトセに。
すると、チトセのちょっと嬉しそうな声が聞こえた。
チ「やったんだ……!」
フ「あぁ、うん、そーだね…!」
ホントに嬉しそうなトーンに、高鳴っていた心臓もちょっと落ち着く。
そうだ。あたしたちは倒したんだ。
『伝説の最強悪魔』ともあろう悪魔を…!
そう思うと、あたしもすっごく嬉しくなった。
フ「…やっぱ、あたしがいないと全然ダメだね。チトセは。」
気持ちが軽くなって、あたしもチトセの背中に手をまわしてギュッと抱き着く。
…あたしはチトセがいなきゃ、全然ダメダメだよ。
そう思って目を閉じていると、不意にあたしの腰に手をまわした腕の力が強まったように感じた。
フ「チト…」
チ「そうかもしれないな。」
そう言ったチトセの言葉に思わず目を見張った。
フ「っ…。」
今、何て言った…?
チ「俺は、フウカがいないと、ホントに、ダメダメな奴だ。」
それは…本気?冗談?
どっち?
信じられないで、何度もパチパチと瞬きを繰り返した。
…けど、チトセの事だし…きっと冗談だろう。
ちょっと赤くなりつつ、アハハと笑って背中をポンポンと叩く。
フ「それでこそチトセだよね。さすが。よく分かってるじゃーん。」
笑ってそう言えば、チトセもクスッと笑った。
チ「何年幼なじみやってると思ってんだ。あったりまえだろ。」
だよね。
ヒヒッと笑い返すと。
「…フウ、カ?」
頭上でそんな声が聞こえて、あたしたちは慌てて離れる。
顔を上げれば、驚いた顔と泣きそうな顔をした4人の姿。
フ「アリス…っ!」
泣きそうになりつつ、クシャッと表情が笑い顔になったアリス。
フ「ユウ!」
ニッと口角を上げて、グッとナイスサインを見せるユウ。
フ「カリンっ…。」
ボロボロと涙をこぼして、泣き続けるカリン。
フ「カイ!」
フッと珍しく微笑んでいるカイ。
それを見ると、こっちまで泣きそうになる。
それでも、必死に笑った。
だって、終わったんだもん。全部。
ようやく、皆で…帰れるんだ。
勝利の女神は意地悪だ。
どんな挑戦者も、どんな結果になろうとも叩きのめす。
…けど。
それでも。諦めずに戦ったものだけに。
女神は、ちゃんと、微笑んでくれるんだ。
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2019年9月16日 18時