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フウカside

 ―――――――目が覚めた。

 何故か、目からは涙が出ていた。

 体は横たわっていて、起こす気力もない。

フ「…あたし、何で泣いてんだろ…。」

 ポカンとして、そこではたと気付く。

 巨体の姿も、ディガードの気配も…あれほどに恐ろしかった空気も。

 消えている。

 …。

 つまり。

フ「――――――あたしたち、やったの?」

 信じられずに手の平をまじまじと見つめた。

フ「…ん?」

 未だに頭の中が夢見心地でいる中、ふと右手に感じた温かさ。

 う〜ん、温かいというか…何か安心するような…。

 そっと右手を上げれば、あたしと右手と一緒についてきたのは少し重いもの。

 『少し重いもの』。それは。

フ「……手?」

 自分の指と絡まり合った、もう一つの大きな手。

 そのつなぎ方といえば、いわゆる『恋人つなぎ』。

フ「ひゃっ!」

 あたしらしくない叫び声に、思わず口を押さえる。

 …ひゃっ、とか…。らしくない声出しちゃったし…。

 その瞬間、赤くなる顔。

 確かに幼なじみだけど…さすがにここまでしたことは、ない。

フ「もう…。恥ずかしすぎる…。」

 片手で顔を覆って、悶々とする。

 でも、何故だか…この手を振り払えないでいる自分がいた。

 いや、振り払いたいほどなんだけど…。

 チラッと横に目を落としてみると。

 穏やかに息を立てて寝ている、チトセ。

 そんなに長く見るつもりはなかったのに、何故かじっと見つめてしまう。

 青い綺麗な髪。長い睫毛。パーツのそろった顔。

 …って何考えてんだ。

 再度赤くなりそうな頬をベシっと叩いて、正気に戻す。

 …と、タイミングの悪いことに。

 「…何、お前赤くなってんの?」

フ「は、ハイっ!?」

 驚いてギョッとして横を見た。

 シレっと目線を送るチトセがあたしを見ていて。

 というか、あ、赤いっ?

フ「んな、な、なワケないっ!」

 ダッと引き下がろうとしたけど…。

 手がつながったままだから、離れようにも離れられなかった。

 こ、のままだと…また赤くなって…。

フ「な、何か自然とつながってたみたいっ!ハハッ、離そうね〜っ!」

 笑顔を張り付け、慌てて手を振り払おうと力を抜いた。

 が。

フ「…ちょっと?分かってるの?手つないでんだよ?」

 全然、チトセが離してくれなくてちょっと戸惑う。

 今の状況が分かってるの?

 すると、仰向けで寝ていたチトセが起き上がって手を引き寄せた。

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設定タグ:らくだい魔女 , フウカ , ケイ   
作品ジャンル:ファンタジー
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/  
作成日時:2019年9月16日 18時

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