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フウカside
すると。
『…鈍感理解力皆無のプリンセスと女みたいな意外と忍耐力あるプリンス…全く、君たちは僕の手を手こずらせるね。』
困ったような声で呟くと同時に、セピア色の世界が一気になくなっていく。
チ「っ!?魔法が…。」
チトセが動揺して声を荒げるころには、あっという間に魔力がなくなっていった。
『ビックリしたでしょ。アハハ、何度見ても君たちのその反応は面白いなぁ。』
…。はぁっ!?
バカにしてんのっ?
フ「ア、アンタね!冗談言わないでよっ!…てか、何よ『鈍感理解力皆無』って!」
違う事にも腹立って、ついでに付け加える。
だって、出会ってちょっとしか経ってないコイツに『鈍感理解力皆無』なんて…。
めっちゃ失礼じゃんっ!!
言われたくないわっ!
チトセもイラついているのか、眉間にほっそい眉を寄せて(←ディスってないから!)
チ「『意外と忍耐力ある』はともかく…『女みたいな』って…ケンカ売ってんのかよ。」
と舌打ちをしている。
『う〜ん、君たちって似すぎ…。頭、大丈夫?』
チ/フ「「バカにするなあああああああああああああッ!!」」
ブチ切れたあたしは、同じくブチ切れたチトセと大きく叫んだ。
…幼なじみってスゴい。
いろんなとこで気が合う。
ちょっとしたとこで切れるとことか。
…幼なじみで良かった。
心のどこかでそんな気持ちが湧いて、思わず笑みが浮かぶ。
『…プリンセスは余裕なの?笑っちゃってさぁ。』
その声に驚いたようにあたしを見るチトセ。
チ「フウカ?」
今までのあたしなら。
『余裕なんかあるわけないでしょっ!』って言ってた。
強がってた。
でも今は強がってる場合じゃない。
反発してる場合じゃないんだ。
フ「……余裕だよ。勝てる気しかしないもん。」
あたしにしては珍しい落ち着いた声に、驚く二人。
『!?……ふーん。ビックリ〜…。でもさぁその自信、どこから来るわけ?』
チ「おい、フウカ…あんまり逆撫でするようなことするなよ。」
パシッとあたしの腕を掴んで、チトセが真剣な目で見つめてくる。
ありがとうだけど。
自然と笑っていた口角をちょっと上げて、笑みを深めた。
フ「大丈夫!本気で勝てる気しかしないからっ!」
チ「っはっ!?」
真剣な目が少し大きく広がって、あたしの腕を掴む力が少し緩む。
隙を狙い、パッとチトセの腕を振り払った。
今しか、ない。
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2019年9月16日 18時