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フウカside
真上を見上げて、あたしはキッと睨みつけた。
フ「…あたしたちがここにいるってこと、気付いてるんでしょっ!?」
突然叫び出したあたしに、おいおいと焦る二人。
でも、続いて聞こえてきた声に二人は声を失った。
『へぇ…さすが。ホント、君って感がいいよね〜…。』
のん気そうに間延びした、幼い声。
この場に合わないトーンに、あたしはイラっと来た。
コイツ、余裕かよ!
フ「感じゃ、ない。ちゃんとあたしは理由持ってるんだから。」
―――チトセが倒した、と思われたあの時。
チトセには何にも言わなかったけど、実は…。
黒い、何かが空に消えていったのが見えたんだ。
その時はあんまり気にしてなかったけど、チトセがホウキを飛ばしていた方向は黒い物体が消えていった方で。
しかも、こんなでっかい巨体いたし。
それでしばらく怪しんでたら、たくさんのトゲの中で何か黒いものがうごめいているのが見えたんだ。
フ「…まさか、まだ生きていたとは思ってなかったよ。ディガード。」
ア/ユ「ディガードっ!?」
二人の目が大きく見開かれると同時にアハハと笑い声が聞こえる。
『いや〜…鈍感なプリンセスにも気づかれちゃってたとは…僕も劣ったもんだなぁ。』
フ「ど、鈍感とは何よっ!」
前から失礼な奴とは思ってたけど、さすがに今の流れでそれはなくないっ?
腹立つわ〜っ!
目を吊り上げて何も見当たらない空を見つめ続けた。
ん〜と考えるような声を出してディガードは淡々と話した。
『残念なんだけど、僕はもう死んじゃってるよ。僕の姿はこの世からもうなくなってる。』
フ「は、はぁ?じゃ、何でまだ…。」
さすがにそれには気付かなくて、ちょっと戸惑う。
『さぁ?それはどーだろ。まだ未練が残ってるってことじゃない?』
未練…って。
あたしが怪しんだことに気付いたのか、ディガードはフッと笑い声を漏らした。
『その未練ってさぁ。多分、君を連れていく事なんだよねぇ…。』
フ「っ!?ふざけないで、あたしは絶対行かないっ!」
ディガードが『それは心底残念だよ』と言ったのを合図に、周りがゴゴゴ…と嫌な音を立て始めた。
ア「な、何?」
アリスが不安そうに呟くと
『ハイ、ゲームスタート☆』
と爽やかな声があたしの耳を貫いた。
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2019年9月16日 18時