検索窓
今日:22 hit、昨日:1 hit、合計:14,868 hit

31 ページ30

フウカside

 …ん、でも、何で?

 ふと疑問に思い、チトセ、と呼ぶ。

フ「よく分かったね、あたしが毒にかかりそうだって。」

 あたしは皆から離れて、あの巨体の元に飛んだ。

 チトセとはスッゴイ離れてたのに。

 …何で分かったのかな。

 すると、チトセはちょっと目を泳がせて

チ「…んなの、どーでもいいだろ。」

 と小さく呟く。

 …何ソレ。

 何か言いたくない理由でもあるの?

 ちょっと、とチトセの袖を引っ張った時。

 ヒュン

 『鋭い何か』があたしとチトセの間をかすめ通って行った。

 え、と呟いたあたしたちはすぐに下を見つめた。

 …まさか。

フ「…ねぇ。今通ったのが、あの『トゲ』なんてことはないよね?」

 体中の熱が冷めていく中、チトセが顔を険しくさせた。

 そしてまだ掴まれたままだったあたしの腕に力が加わった。

 と思ったら。

チ「…飛ばすぞっ!」

フ「は、はぁっ!?」

 突然ホウキを旋回させ、ビュンッと飛ばすチトセ。

 いきなり、なに―――――!?

 驚きで自分のホウキを強く握り締めることしかできない。

 ぐんぐん上昇しつつ、下を睨みつけるチトセは

チ「…来る。」

 と呟く。

 …何が?

 いよいよ頭の中がグルグルし出して、訳が分からなくなる。

フ「な、何がーっ?」

 そう叫んだ瞬間。


 バシュ―――――ッ!


 そんな音と共に飛んできたのは無数の『矢』。

 数えきれないほどの矢の数に、ビビったあたしは

フ「な、何でっ!」

 と叫んだ。

 そんなあたしをかばうようにホウキを押し出して前に出たチトセは、飛んでくる矢を睨みつけ

チ「『禁』」

 と呟いた。

 すると、あたし達の周りに透明な膜が張られていく。

 矢のすべてはこっちに向かってくるものの…

 ガンッ

 透明な膜があたしたちを守るように張ってくれてたお陰で、何とか怪我をせずに済んだ。

 矢がどこかへ行ってすぐ、膜はふわりと解ける。

フ「…あ、ありがと。」

 素直にお礼の言葉を口にする。

 だって、チトセが守ってくれたんだもんね。お礼ぐらい伝えておかないと。

 と思いつつも、内心は恥ずかしさでいっぱい。

 目をつむり、下を向いて震える口を開いた。

フ「あ、あのね。あたし…言わなきゃいけないことあって…。」

 ずっと言いたかったこと、伝えたかったこと。

フ「あたしね―――。」

 そう顔を上げた時。

 ズル

 と同時にチトセの体が傾いて、あたしに寄りかかった。

32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:らくだい魔女 , フウカ , ケイ   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/  
作成日時:2019年9月16日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。