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フウカside
フ「何で?バカなのっ!?」
ギャアと叫ぶと、チトセに
チ「お前、ちょっと黙ってろ。」
と手で口を塞がれた。
んぐぐ〜っとあたしの口を覆うチトセの手を、ビシビシ叩いて必死に抵抗しまくった。
カ「…アリスちゃんたち、何かに気付いてるんじゃないかな?じゃないとあんなとこにいないと思う…。」
不安げにそう呟いたカリンに、ピタリ体の動きを止める。
確かに、何も考えずにあんな危険なとこ行くはずがない。
チ「アイツら、何に気付いたんだろうな…。」
じっとあの巨体を見つめ続けるチトセの視線を追うようにあたしも見た。
体中のあの長いトゲ。
…あのトゲさえなければ、もっとよくあの巨体の姿を見れるのになぁ…。
フ「………ん?」
そこまで考えて、何かがパッと頭の中を駆け巡ったような気がした。
もう一度よく考えて、思考を凝らす。
…あのトゲがなけれ、ば…?
フ「っ!!」
っそっか!
途端にひらめきが走ったあたしは、はっとして巨体を見つめる。
そして。
フ「っチトセっ、ありがと!」
チ「はっ!?ちょ、おい!!!」
チトセのホウキから、あたしは自分のホウキを取り出して乗り移る。
そのままホウキを下げて、ヒュンと急降下した。
近づく大きな巨体。
目の前まで来て、すぐにホウキのスピードを緩める。
そして、叫んだ。
フ「アリスっ!」
…けど、アリスの耳にあたしの声は届いていない。
低く轟いてゆっくり動き出した巨体は、あたしを見つけたのか太い尻尾を振り回してきた。
その尻尾から数多の液体が飛んでくる。
フ「わっ!!」
慌てて上昇して謎の液体から飛びのく。
な、なんなの、あの液体。
ゴクッと息をのんでそれを見つめていると
ビュッ!
飛び散る音がして振り向けば、もうすぐそこまで飛んでくる液体。
やば……かかる…!
と、そんな時。
「時の門番よ――――」
「え―――?」
意味が分からず、そのまま飛んでくるはずの液体を見つめた。
だけど、全然液体は近づいてこない。
そのままホウキに乗ってボーっとする。
…が。
「っバカっ!」
そんな声がして一気に腕を引かれた。
ハッと顔を上げれば、そこにいたのはチトセ。
チ「何やってんだっ!あれは毒、なんだぞ!」
フ「げっ!」
女らしからぬ声を出して、改めてそれを見た。
あれにかかっていたら…。
考えただけでも、背中がゾッとする。
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カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/
作成日時:2019年9月16日 18時