検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:14,850 hit

26 ページ25

フウカside

 真っ赤にしているチトセの顔を見ると、もっと顔が赤くなってるような気がする。

 両手で頬を包んで、キュッと目をつむる。

チ「…お前こそ何だよ…。自分で言っといて照れるとか。」

フ「い、いや、それはっ…チトセが照れたから…っ!」

チ「…俺のせいにすんな。」

 口ではそう軽く言い合ってるけど、実際顔は真っ赤だ。

フ「……。何か、お互い褒め合う事ってないから…緊張するね。」

 そう言うとチトセもそうだな、と言って空を見上げた。

チ「ガチガチになる。」

 チトセの言う事にあたしも、そうだなって思う。

 お互いケンカばっかで、突っぱねていたから…こんな事、らしくない。

 けど。

 何かスッキリしたかも、しれない。

フ「…ちゃんと気持ち伝えるっていいことだね!」

 そう言ってスクッと立ち上がった。

 大きく深呼吸をすると、冷たい空気が入ってきて気持ちいい。

 と。

チ「……なぁ。」

 少しの間黙っていたチトセが口を開く。

フ「ん?何?」

 閉じていた目を片方だけ開く。

 スッと立ち上がって真っ直ぐに見つめてくるチトセは、何かいつもと違う。

チ「…いつかは言おうと、思ってたんだけど。」

フ「……え…?」

 周りの静けさと妙な沈黙に、何故だか心拍数が急激に上がる。

 何、何。何が言いたいのーっ!?

目線が落ちたかと思えば、すぐにあたしの目を貫く。

チ「俺、ずっとお前のこと…。」

そこで一回止まった。


え……?

今、君は何言おうとしてるの?

フ「…どうかした…?」

ずっと、何?

あたしのこと、どう思ってたの?

体に変な力が入って、無駄に緊張する。

おかげで段々意識がボーッとしてきた。

早く、早く。

けど。

チ「……いや、やっぱ何でもねぇ。」

期待してたものとは全く違って、ちょっと脱力する。

フ「な、何それ…、無駄に緊張したじゃん!」

あはと笑って見るけど、何かぎこちない。

でも。

…何かちょっとだけ、虚しいな。

ホントは、都合良く考えてた。

もしかしたら。

『フウカが好きだ。』なんて。

言ってくれるのかなって。

…あたしだけ?

こんなに期待してたの。

少し胸がキュッってなるのは、何で?

…………おかしい。あたしらしくない。

やめよう。

何か、虚しくなって悲しくなるだけ損だ。

…て。

何でチトセなんかのためにこんな気持ちになんないといけないの?

…幼なじみ、なのに。

27→←25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (22 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:らくだい魔女 , フウカ , ケイ   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カメレオン(プロフ) - 莉央さん» 久しぶり!!!すぎて一瞬時が止まったよ😆元気だった!? (2022年4月26日 6時) (レス) id: 7a4cbd292a (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - お久しぶり!!!莉央だよ!!!!! (2022年4月25日 12時) (レス) id: 045daae5eb (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 続編行きまーすっ!応援、ありがとーございまーすっ!頑張ります! (2020年2月24日 1時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ - 莉央さん» え―っ!めっちゃ残念!せっかく友達になれたのに…。でも、これからも頑張ってね!ありがとう! (2020年2月23日 15時) (レス) id: a3939203d3 (このIDを非表示/違反報告)
莉央 - ケイ!わたし占ツク辞める!!ごめんね!理由はここで話すと長いからアイリに聞いて!! (2020年2月22日 14時) (レス) id: 667a7e2a00 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ケイ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/snow17111/  
作成日時:2019年9月16日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。