らくだい魔女と幼なじみの約束 pert4

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アリスside

ア「っユウっ！」

　心配になってユウを呼んだ。

ユ「…あぁ。ヤベーな、これじゃ何も出来ねぇ…。」

　ユウが悔しそうに下唇を噛んだ。

　…無理もない。

　あれが毒だと分かった今、出来ることはなくなった。

　ラドファは毒を持っている。

　つまり…血液と言う血液には全て毒が入っているかもしれない。

　血管はもちろん、心臓だって…毒が入っている可能性が高い。

　壊したら、ラドファは死ぬ。

　…けど、プラス私たちも死んでしまう。

　大量の毒を浴びることになるのだから。

ア「っこれじゃあ、何にも出来ない…っ！」

　思わずしゃがみこんでギュッと目を瞑ると。

ユ「――――大丈夫だから。」

ア「え――――」

　…フッとユウの匂いがして気が付けば腕の中。

　ユウに抱きしめられてる事に気づくのに、そう時間はかからなかった。

ユ「きっと、大丈夫だから。まだ倒す方法はいくらでもあるはずだから。」

　ゆっくり私の背中を撫でてくれるユウに、安心感を覚える。

　いつでも、どんな時でも。

　ユウが居なかったら乗り越えれなかった。



ア「…ありがとう。急に取り乱してゴメン。」

　そう言って、ギュッとユウの背中に手をまわして抱きしめた。

　…きっとまだ倒す方法は、ある。




フウカside

　…ふと、大きな音がした気がして薄っすら目を開く。

　視界に広がるのは大きな空。

　あれ…あたし、寝てたの？

　そう思ってちょっとの間ボーっとしていると。

　―――――――ドォンッ！

フ「うわぁっ！」

　近くで大きな音がして、飛び起きる。

　なになに、何の音っ！？

　何気なく横を見て、ハッと目を大きく見開いた。

デ「…あ、れ…さっきと、は…違っ、て、全…然余裕が、見ら、れ…ないけど…？」

チ「へ…ぇ、お前も…余、裕ない、ように感じ…るけど？」

　さっきと同じ、戦う二人の光景にすぐさま立ち上がる。

　でも、さっきと違ってどっちとも余裕がないように思える。

　…こういう時って…どうするべき？

　黙って見てるのが正解？あたしも加わって加勢したほうが正解？

　…きっとどっちとも不正解。

　黙って見てれば罪悪感が溜まるし、加勢したらしたで邪魔になるだけ。

　でも、あたしがしなきゃいけない事って何？

　ただボーっと見てるだけ？

　――――――きっとそんなのっておかしいよね。

フ「黙って見てる、なんてそんな事…出来ないっ！」

　頭を横に振って、勢いよく立ち上がった。

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