無敵のスピカ

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「ぷはぁ〜、気持ち良かったな〜、」



風呂上がりか！っていうね。



息が整わない私と、余裕でタバコを取り出して火を着けてる宏くん。





「あー、こんな気持ちいーならもっと早くしとけば良かったよなぁ。」




ぷはぁーって、煙吐きながら嬉しそうだから幸せではあるけど。






「･･･でも、このタイミングで良かったよ。宏くんのことちゃんと好きになったこのタイミングで。」


「そうだな。俺も限界だったけど待ったのは無駄じゃなかったか。」





そう。
キスはしたんだよ。半分強引に奪われて。
そしたらそのままそんな雰囲気になったんだ、何度か。





「思いとどまった宏くん、偉かったよぉ。」





よしよし、と頭を撫でてあげる。
宏くんの我慢はそのまま愛情表現と受け取ったから。
そこもポイントアップだったしね。







･･･不思議。
このふわふわな柔らかい髪の毛ですら愛おしい。



素直に私にされるがまんまの宏くん。
だから髪の毛をずっと弄ってると
タバコを揉み消してからゆっくりと抱きしめられた。








「･･･やっとこうなれた。」


「あんな事やこんな事？」



切なげに言われるからちょっとと茶化したくもなるし。




「バカ。まぁ、そうだけど、Aの気持ちがようやく手に入ったって感じ？」


「･･･うん。」





宏くんは高校生からずっとこうなるって知ってたんだよね。



そこには私が計り知れない葛藤があったんだと思う。



それでも私を受け入れてくれて
こうしてお嫁さんにしてくれた。



きっかけは親同士(ほとんどうちの両親)が決めた話しだったけど今となっては感謝しなきゃいけないのかも。



許嫁だって聞かされてから結婚までものすごいスピードでここまで来た。



だから今からゆっくりと恋人みたいに過ごせたらな。









「よし！もっかい子作りすっかっ。」









・・・・って思ってるのは私だけ？




このままだとあっという間に子供とか出来ちゃうかもね。




でも、宏くんと私の子供か。
悪くないよ。





そう思いながらさっきの続きが始まる。




知らなかったよ。
そんなに私の事大切に抱いてくれるなんて。



そんな所にも勝手にときめきながら宏くんの背中に手を回す。









「好きだよ、宏くん。」


「うん、俺も。」




Fin

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