無敵のスピカ

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「いいか？一回しか言わねーかんな？」

「う、うん。」








「好きだ。Aが。」









・・・・そう、なの？









「幸せにします。俺と結婚して下さい。」









さっきまで男の色気ムンムンだった宏くんは
急に、誠実な男の顔になって
今日は見たことのない宏くんばかり見せられてやっぱり頭おかしくなりそうだ。



でも、小さい頃から一緒で、何もかも知り尽くしてると思ってたのは思い込みだったんだ。



こんなにも知らない一面がどんどん出てくる。



そして何より宏くんは真剣だったから
私は思わず、はい、と返事をしてしまってた。









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それからあれよあれよと結婚の準備が進められ
宏くんは正式に、うちの取締役として就任を終えた。





私はバージンロードを本当にバージン(宏くんとは)のまま歩いて無事結婚式も終えた。









そして、いよいよ、初夜。




なんなんだろう？
新しい新築の新居に
新しいベットに新しいシーツ。



向かい合って正座してる私達は初々しさしかない。








「よし。ようやくこの時が来たぞ？」


「う、うん、来たね。」


「待ちに待った、あんな事やこんな事、すっぞ？」


「･･･よろしくお願いします。」



ここまで来るのに色々あったんだ。




まずは幼なじみでしかなかった宏くんの
男の部分に触れて徐々に惹かれてった事



やっぱり気心知れてるから何も気負う事無く
喧嘩もなく式の準備も進められた。



元々お兄ちゃん気質の宏くんに任せてたら安心だったし。頼りがいあるし。



今までなんでよくわかんない人に恋して付き合ってたんだろう？って疑問になるほど、宏くんとの付き合いは心地よく、スムーズだった。




なにより宏くんはあの日から私をちゃんと女として扱ってくれたんだ。
それが最初はこそばゆかったけど悪くなかった。






自然と、私も宏くんに恋してったんだ。






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