無敵のスピカ

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「な？また会ってくれる？」


「もちろんだよ。」




夜の顔も朝の顔も変わんねーなこの子。
相変わらず爽やかに微笑まれてまた心が温かくなった。




ホテルの前でマネージャーの車に乗り込む。




「よく眠れたみたいじゃん。」


「うん。久しぶりに寝た。」


「良かったんだ。」


「まあ、良かった。」




なんもしてねーけどな、ってのは黙っとく。
すげーリラックス出来たから。




「また同じ子と会う時間作ってよ？」



そう言うと、了解、と事務的に返事をされて
今日のスケジュールの話しになる。



久しぶりに眠れて頭が冴えてる。
今日の仕事も頑張ろって気合い入れた。









・









「今日、十一時、どうする？家帰るかホテル行くか。」


「ホテル行く。」







あれからこういった感じで俺のスケジュールに合わせてこう聞いてくるマネージャー。



今日、Aに会えるんだって思ったら朝から仕事も集中出来た。








「お帰りなさい、」





最近のAはこう言って俺を出迎えてくれる。
だから、ただいまってこの部屋に入るのが当たり前になった。




もう数えきれないくらいこうして会ってる。



最初の日と同じようにAは俺にお酒を入れてくれて一緒に飲んで風呂から上がった俺にマッサージをしてくれる。



なんて事ない会話をゆっくりとしながら
俺はいつも寝落ちしてた。



こうしてるだけでめちゃくちゃ癒されてたんだ。






数ヶ月、そんな風にAと会ってると
俺は何も手を出してないAをコールガールとしてじゃなく、一人の女の子として見るようになってしまってた。



これが相手の策略でこうして恋に落とさせて
エンドレスで指名を貰うってのが商売なんだ、と言い聞かせても気がついた時にはAが好きで堪らなくなってた。




Aは俺と会ってない時、違う男と寝てる訳だよな？



そう思うといてもたってもいられなくて気が狂いそうだ。



そういう仕事してる相手に本気になるなんて･･･



そこまではマネージャーも計算してなかっただろう。
俺の事よくわかってんならそこまで考えて欲しかったわって恨めしいくらい、Aに溺れそうになってた。

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