無敵のスピカ

DON'T WANNA DIE …Haru…1 ページ28

北山side






２４時間アイドルでいなければ。



常にスキャンダルに気を張って
カメラの前では常にアイドルの顔を作る。
ファンの子が全て･･･



仕事は好きだし楽しいけど
おもっきり突っ走って来て後悔なんてした事ないけど





＿＿＿＿＿＿常に全力な俺、




っていうスタンスだったけど




気を張ってたその糸がぷつりと切れそうになる時がある。





目まぐるしい忙しさの中、彼女なんて出来ても構ってやれなくて振られる事ばかり。



仕方ねーよな
どうせ外で会う事も出来ない
コソコソと家で会うくらいしか出来ない俺と付き合ったって楽しくねーだろって鷹を括ってた所もある。






でも･･･




人肌恋しくなって無性に誰かに甘えたくなる夜がある。



自分自身、頭ガチガチでどうしようもなくて
ネガティブ思考のループにハマっちゃって抜け出せなくて叫びそうになる夜だってある。





でも、それを今まで付き合ってた彼女で発散した事なんてなくて。



彼女にそんな弱くて甘えてる俺なんて見せたくないし
カッコつけたいし
なんなら甘えられたいし。




・・・そんな事言ってっから結局会うのが億劫になって振られちゃってんだけどな。





睡眠も上手く取れなくて自分が自分でなくなりそうで･･･



そう頭を抱えてた時
何かを察したマネージャーから提案を持ち出された。








「･･･コール、ガール？」


「そう。いわゆる芸能人担当の絶対固い子を揃えてるトコがあんだよ。」


「なにそれ？その日会った子とヤルだけやれって？」


「それでもいいし、特定の子とずっと会ったっていいし。」


「面倒なんだけど。」


「まあ、そう言わずに試しにさ？」





初対面の女といきなりとか、
なんとなく違和感がある。



相手は仕事として割り切ってんだろうから
気にしないでいいんだろうけど。




･･･確かに溜まってはいるけどな。





「とりあえず、写真見てみる？」




渋る俺にファイルを差し出すマネージャーは
きっと、俺がこのまま自暴自棄にでもなって変な事やらかさないかって心配してるようにすら見える。



そんな弱くねーけど。
でも、ストレスがどんどん溜まってって
ガス抜きが出来なくなってる事は事実。




気分転換も必要なのかな
そんな事を思いながらファイルを手に取った。

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