無敵のスピカ

二番目の女…Haru… 1 ページ18

北山side









二十歳の時



なんとなく付き合ってた彼女のA。



十代の俺は気付けば女が寄ってきてて一通り恋愛してきたけど



そのうち、可愛いなって思ってた子が鬱陶しくなってきたり恋愛って面倒って思ってやーめた、とか多かったんだけど･･･



思ってはいても、Aは一目惚れだったかな。



とりあえず顔が好みで
体の相性も良くて
俺への愛情を体全体で表現してくれてたように思う。
どこを切り取っても可愛かったんだ。



その頃、二十歳そこそこのAだったけど、すげーウブで
俺はこいつにとってきっと初恋の相手なんだろなって。



何もかも、Aの初めては俺だったんだと思う。



それなりに好きだった。
だって、出会ったその日に
『タバコ嫌い』って言われて、俺、無意識に
『じゃあ吸わない』ってその場でライターと一緒にゴミ箱に捨てちゃったし。



それくらいは彼女の事、大事に想ってたんだと思う。
それ以来、目の前でタバコは吸わなかったし。



だけどなんだろ。
半年くらい経って、徐々に息苦しく感じだした。
気持ち、重くて。



熱い眼差しで俺を見るAに
俺は耐えられなくなってきてたんだ。




そんな真剣な恋愛できねーし。
そんなに人好きになれるなら
同じだけ好きになって貰えるやつと一緒になれって思って



ちょうどその頃知り合った別の女と付き合う事にした。



別れたいって言ったらめちゃくちゃ泣かれたけど。
だよな。そういうのもウザイし。
やっぱり別れて正解、こういう女とは。






それから一ヶ月ほど経って
親友の真鍋と飲んでたらそいつの携帯が鳴り出して
相手はAだって。




なんだか俺への未練を電話口で酔っ払って話されてるらしくて、なんならここに宏光いるから来れば？って呼んじゃってるし。



ほどなくしてやった来た一ヶ月ぶりのA･･･



思わず目を逸らしてしまった。
俺といた時より、明らかにやせ細ってて
しかも見た事ない泥酔ぶり。



酔ってる癖にAもぎこちなくて俺をチラチラと見てくる。



でも･･･



久々だな。



その目は俺と付き合ってた頃と何一つ
いや、それ以上に熱い目だ。




そんな目で見られちゃうとさ･･･

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