無敵のスピカ

2 ページ2

・




「俺にはもうずっとそのプランがあったの。Aもそろそろいい歳だしこれからはやすやすと男作る、とか許されねーかんな？」


「待って待って待ってっ！なんで？？わかんないっ、」


「その、デートの相手、好きなの？」


「そうだよっ、だからっ、」
「悪いけど諦めて。」


「なっ、い、今更じゃない？私、何年か前だって彼氏いたけどその時は何にも言わなかったくせにっ。」


「その時は俺もまだ準備出来てなかったし、結婚するまでAの恋愛を規制すんのは可哀想だろ？」







いやいやいやいや、
だから待って！





「宏くんだって！彼女いたじゃん！それはそれは何人もっ。」


「だから結婚する準備出来てなかったし。それまで俺、童貞でいろっての？」





いやいやいやいや、わかんない。




「だってっ、そもそも宏くんは私と結婚するつもりだったんだよね？それならまずは彼女にしよう、とかあるんじゃないの？」



取っかえ引っ変え女の子変える前にさ？
そうすれば私だって心の準備出来たと思うけどっ？





でも･･･そもそも宏くんが私の彼氏とか
「おまえ、俺の事男として見てた事あるか？」







・・・・ないよね。





ずっと小さい頃から幼なじみで家族のように育ってきて。
お兄ちゃん的存在だった宏くんをそんな対象で見た事ないよ。




でもっ、それでも私と宏くんが結婚するって決まってたんだったらそれなりにアプローチとかさ？ないわけ？？






「恋愛対象としては無理だろ？Aは。だから結婚相手として、これからは俺の事見てくんない？」




上手くやろーぜ、ってニヤリとされても
なーんにも飲み込めませんが。




「宏くん、私、好きな人と結婚したいっ。」


「おお。おまえ、俺の事普通に好きだろ？」


「好きだよっ。でもそれはお兄ちゃんとしてっ！」




若干肩で息を切らす私に困った顔を見せる宏くん。





「そもそもさ？おかしいよ？宏くんだって別に私の事、女として見た事ない癖にさ？そんな簡単に割り切れるものなの？」




結婚相手、として割り切られるって結構悲しいよ？
宏くんはそれを簡単に受け入れてるようでそれもまた悲しい。

3→←許嫁の彼 …Haru… 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す