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彼は、庭にいる友達の一人を指さしては、
「あいつ、どう？
めっちゃ優しいよ」
なんて笑顔で勧めてくる。
…ああ、私に誰か紹介してくれようとしてるんだ。
その行為に私は、もっと傷つくかと思ってたのに、意外と平気だった。
この人と付き合えば、こんな風に北山くんと過ごせる機会も増えるのかなとか、そんなよからぬ企みまで浮かんできて困る。
「いい人そうだね」
「呼ぼうか？
ちょっと話してみたら？」
「大丈夫です
本当に恋愛するつもりはないんで」
本気でそう思ってるから言ってるのに、何故か彼は寂しそうな顔をしてまた、頭に手を乗せてくる。
「Aちゃん、ちゃんと息抜きしてる？
たまには自分を甘やかせば？」
甘やかしてるよ、ちゃんと。
だって今、恋愛なんでどうでもよくなるほど大好きな北山くんと一緒に居るんだから。
だけど北山くんは、本当にその友達を呼び寄せてしまった。
さりげなく席を代わると、すっとそのまま輪の中へ消えて行ってしまう。
私の魔法は今、ここで切れてしまった。
社交辞令でその人は何かを話しかけてくれるけど、お互いその気がないっていうのは丸わかりで、
話が弾まないまま、私は先に帰らせてもらうことにした。
玄関先にこっそり霞さんだけを呼び出して、
「今日はありがとうございました」
そう、深く頭を下げて。
霞さんは何か言いたそうにしてたけど、黙って私を帰してくれた。
今度こそ、今度こそもう終わりにしないと。
北山くんと過ごす時間は、本当に至福の時間だけど。
これ以上続いたら、私は壊れてしまうかもしれない。
もう二度と会うことはないと思っていたから、簡単についてしまった嘘が、罪悪感として重くのしかかってくるんだ。
本当に本当に、私はもう北山くんとは会わない。
週明けのランチタイム、霞さんはやけにかしこまって、
「Aちゃんに話があるんだけど」
そう、切り出してきた。
「何ですか？」
あまりの雰囲気の重さに、私もつい箸を置いて居住まいを正す。
「Aちゃんってもしかして、北山くんのこと好きになっちゃったってことはないよね？」
ズキンと心臓が跳ねた。
…ヤバい。
私、そんなに態度に出ちゃってた？
「そんなことないですよ」
とりあえず、そう否定してみる。
なるべく、自然な感じで。
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18rf(プロフ) - わかめさん» わあ！返信有難うございます！！なるほど、そうだったんですね！！主人公ちゃんの気持ちすごいわかるなあ、北山さんに触れたい！！って毎回なってます笑これからの展開たのしみにしてますね！！ (2019年7月30日 0時) (
レス) id: 6b95d259ee (このIDを非表示/違反報告)
ふう(プロフ) - わかめさん» 返信ありがとうございます！沢山連載あるのに更新ありがとうございますTT (2019年7月22日 23時) (レス) id: 24794ead76 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ふうさん» コメントありがとうございますm(__)mそんなこと言っていただいてうれしいです(/ω＼)今夜も更新しようと頑張ってますが、もう既に眠いのでくじけるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2019年7月21日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - アップルさん» そんなことと言っていただいて、ありがとうございます！ご褒美だとか、本当にもったいないくらいです。夜桜と北山くん、かなり素敵だと思われます！どうぞこれからもよろしくお願いしますm(__)m (2019年7月21日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 18rfさん» はじめまして、コメントありがとうございます。毎回気になるところで終わりますよねwでもこれ、実は自分のためなんです。次を書きたくなるようなところで終わらせておかないと、次に書く気がなくなっちゃうので(/ω＼) (2019年7月21日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わかめ
| 作成日時：2019年6月25日 22時
