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裕太のマンションを出てからは、もう気が付いたら小走りになっていた。

大急ぎで自分の部屋に戻って、もうコマ送りのように、着替えたり、明日の準備をまとめたりで、

最後にシャワーを浴びて、また裕太の部屋まで戻る。

別に急ぐ必要なんかないのに、なんか気が急いてしまう。

裕太の部屋に戻ってきた時にはもう、せっかくシャワーを浴びてきたのに、体はしっとりと汗ばんでしまっていた。






「おかえり」

玄関先まで出迎えてくたれた裕太は、幸せそうに微笑んでは頬に手のひらを重ねてくる。

その手のひらが、この季節なのにひんやりと冷たくて驚いたけど。

その冷たさに反比例して私は、この行為が恥ずかしすぎて、赤面していたかも。

「汗かいてるから」

そんな言い訳をして一歩下がったら、手首を裕太が即座に掴んできた。

それは予想以上に力強くて、一瞬だけ1号のことを思い出してしまった。

1号は普段は優しいけど、時々こんな風に強引になることかあったから。

「お風呂入る?一緒に」

その言い方も。

まるで1号そのもので、思わずフリーズしてしまった。

「冗談だって
シャワー、使っていいよ」

裕太はすぐにその手を離して笑いかけてくれたけど、その微笑は少しだけぎこちなく見えた。









それからの時間は、本当に楽しかった。

宅配のピザを頼んで、それを床の上に広げては、ずっと話したり。

こんなに誰かと語り合ったのなんて、久しぶりかも。

1号とも、こんなに蜜に語り合うことなんかなかったかもしれないのに。

2号と話してると、笑ってばかりなんだ。

ドキドキするとか、幸せだとか、そういう感情じゃなくて。

2号といるとワクワクするし、安心する。

明らかに1号との時とは違う感覚に、自分でも戸惑ってるけど。








「もう0時回っちゃった」

ため息混じりに、裕太はそんな言葉を漏らす。

その横顔は何故か少しだけ寂しげで、そういうところがやっぱり安心できるんだ。

だって私も、この時間が終わってしまうのが寂しいって思ってたから。

「もう寝る?」

だけど、もう一度そう聞かれた時に、不意に視界の端に白いベッドが入り込んで、急に緊張感が体を走り抜けた。

今夜ここに泊まるってことは、私達はそういう関係になっちゃうのかな。

私的にはまだ、裕太とこんな風にずっと、話をしていたいんだけど。

裕太はどう思ってるんだろう。

今夜はなんだか、簡単に寝てしまうのがもったいない気がする。

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りたわかめ(プロフ) - くるりさん» まだ読んでいただいてたらありがたいです。地味に更新しました(/ω\) (2021年6月15日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
くるり(プロフ) - キュンキュンしたり切なくなったりしながら読ませていただいてます!これからの展開がとても楽しみです。更新大変だと思いますが無理せず頑張ってください!応援してます! (2020年8月19日 9時) (レス) id: e6324db40e (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - ゆりかさん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます!実は本当はもっと悲しい設定にする予定だったんですが、書いてるうちにこんな感じに仕上がってしまいましたwこれからもどうぞよろしくお願いします<(_ _)> (2020年3月17日 2時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - いつもいつも楽しく読ませて頂いてます!前の記憶を覚えていないもどかしさであったり、悲しいところもあったり、キュンキュンしたり、本当に大好きなお話です!本当に面白いです!次回の更新も楽しみにしています(^^) (2020年3月9日 5時) (レス) id: 6a4601e7a5 (このIDを非表示/違反報告)
りたわかめ(プロフ) - みなさん» お返事遅くなりまして、申し訳ございませんでした!記憶喪失になっても、本能で好きになってしまう的な話が書きたくて(/ω\*) (2020年1月13日 21時) (レス) id: 4a0ecf03f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2019年10月27日 16時

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