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結局、私達はお弁当を食べないまま、先生の部屋に戻ることになった。

「明日もちゃんと送っていく。
それに、センター試験が終わったら、しばらく俺の部屋でのんびりしてりゃいいじゃん。」

先生は多分、私を近くに置いておかないと不安なんだと思う。

大丈夫だよ。

センター試験が終わってもずっと、私は先生の部屋でずっとおとなしくしてるから。









部屋に戻った私達は、自然といつものダイニングテーブルに向かい合って座った。

だって、いつも私達はここで勉強をしてたし。

今夜もてっきり、深夜まで勉強をするんだと思ってたから。

なのに先生は、

「今夜はもう寝よう。」

なんて言い出す。

「勉強はしなくていいの?」

「いい。
今更やったって、焦るだけだろうし。
ある程度のことはAには教えてるから、今夜はゆっくり休んだ方がいい。」

私より、先生の方が疲れてるみたいだけどね。









夜の9時にベッドに入るなんて、いつぶりだろう。

ここんとこずっと、深夜まで勉強して、電池が切れたかのように眠る日々だったから。

ベッドに入ってすぐに先生は、

「A、後ろ向いて?」

って、私を壁際の方に向かせた。

そのまま私の両肩に触れると、

「A、肩凝ってる?」

とか言いながら、私の両肩を優しく撫で始めた。

一通り撫でた後は、今度は首筋と肩を指で優しく揉み解していく。

「…何してるの?」

「マッサージ。
Aがよく眠れるように。」

「いいのに、そんなの。」

ちょっとくすぐったくて身をよじったら、

「いいから、おとなしくしとけ。」

って、先生は強引に私を元の姿勢に戻した。









先生の指は優しく首筋を押して、肩を手のひらで包み込むように揉み解すと、

その手は、今度は背中に降りていく。

…正直、ドキッとした。

まさか背中まで触られるとは思ってなかったから。

だけど背中を指でゆっくり押されるうちに、私はどんどん体が暖かくなっていくのを感じていた。

そして、先生の指が背中に触れるのと同時に、私の瞼はどんどん重くなっていく。

さっきまで緊張と不安で、全然リラックス出来てなかったのに。

もう本当に寝てしまいそうになったところで、

「仕上げ。」

そう言って先生は、背中からぎゅーっと抱きしめてくれた。

先生は魔法使いだね。

こんな簡単な方法で、私の体を簡単にコントロールできるなんて。








卒業式まで、あと2か月弱。

私達はこの先どうなるのかな。

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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時

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