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駅まで小走りで急いでタクシーに乗った途端、泣きたいくらいに安心した。
…何?あの人。
超怖いんだけど。
広川さんも相当面倒くさかったけど、菜乃花さんはそれ以上っていうか…。
ちょっと目が病んじゃってる感じで。
無事、家までたどり着いた私は、律儀に先生にLINEで報告した。
『帰ったよ。』
とりあえず、明日は数学があるから、最後の復習をしないと。
だけどテキストは全て先生の家にあるわけで。
仕方なく、夏休みにやってた問題集を取り出しては、片っ端から問題を解き始める。
何かに集中してないと、怖くて泣きだしそうになるから。
だって私、菜乃花さんに会ってからずっと、手の震えが止まらないでいるから。
一時間ほど自習をしていたら、部屋のベルが鳴らされて、先生が部屋の中に入ってきた。
「お疲れ。」
とか言いながら、コンビニ袋を下げてリビングのソファーにぐったりと腰を下ろす。
「こんな時に私の家に来るなんて、危なくない?」
そう聞いてるのに先生は、
「どうだった?今日の試験。」
なんて、話をすり替えてくる。
「この間の模試よりはできたかも。」
「そう…。
よかった。」
そう言いながら、先生はそのまま寝ちゃうんじゃないかって勢いでソファーに体を沈めた。
「とりあえず弁当買ってきたから食って。」
「裕太は?
食べないの?」
「後でいい…。」
「じゃあ私も食べない。」
そう言い切ったら、
「わかったわかった。
食うから、Aもちゃんと食え。」
とか言いながら、机の上のレジ袋から面倒くさそうにお弁当を取り出した。
お弁当を広げては、箸もつけないで、
「A、今日はごめん。」
っていきなり、また先生は謝った。
「大丈夫。」
本当は大丈夫じゃないけどね。
背筋が寒くなるくらい怖かったけど、先生のそんな疲れた様子を見てたら、とてもそんなこと言えなくなった。
「大事なセンター試験の最中に、わさわざやって来るとか。
嫌がらせとしか思えないんだけど。」
「菜乃花さんにね、『先生と暮らしてるの?』って聞かれた。」
「そんなこと言ったわけ?あいつ。」
菜乃花さんの話をしている時の先生は、本当に憂鬱そうで。
やっぱり、あれで終わりじゃなかったんだね。
先生はもう菜乃花さんは来ないって言ってたけど、そうもいかなかったみたい。
菜乃花さんは相当、先生に執着してるんだと思う。
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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時