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「先生は、やっぱり大人の女の人がいいよね?」

突然こんなことを聞いてきた私に、先生は怪訝そうな表情。

「何?いきなり。」

「優さんみたいな大人の女の人の方が、一緒にいて楽だし、自然だよね?」

「またヤキモチ?」

そう言って先生は笑うけど、私は今泣きそうなんだよ。

先生のことをどんどんどんどん好きになっていって。

私の中の先生の比重はだんだん重くなっていって、もう家族よりも大切な存在になってるのに。

いきなり、春になったら返せとか。

そんなの無理だって。

自分から先生のことを好きじゃなくなれるとか豪語してた過去の自分を、今猛烈に後悔してる。

先生の言った通りだよ。

人の感情ってそんなに簡単にセーブできるもんじゃないってこと。









「あのさー…。
優と今日、偶然会っちゃったから変なこと考えてるかもしれないけど。
俺的にもう優に対して、恋愛感情は全くないから。」

「そんなの…、わかんないじゃん。」

わかってるよ。

大人の女の人は、こういうことでグズグズ言ったりしないってことは。

昔の自分なら、このまま自分の気持ちを封印して、先生に何も言わずに別れを切り出してたかもしれないね。

でも、今の私は違うから。

「Aが何を心配してるのかはわからないけど。
優は元カノだけど、友達でもないから。」

「じゃあ何?」

「仕方なく付き合ってる人って感じ?
友達の友達だし、仕方なく、的な。」

先生の言うことが理解できずに、じっと先生の表情を観察してみる。

だけど先生は悔しいくらい平静な顔をして、ちゃんと私の目を見返してくれた。








「前にも言ったと思うけど。
優が浮気したことが原因で別れたんだよね、俺ら。
一度そういうことされちゃうと、もう人として無理っていうか。」

「それで?」

「そんな人間と元サヤに戻りたいとか考えると思う?」

「でも、優さんはどうかな…。
まだ裕太のこと好きかもしれないよ?」

もうやめとこうって思うのに、更にぐずってしまう私に、先生は苦笑いで私の頭を撫でる。

「考えすぎだって。
今は大事な時期だし、そんなことで勉強の妨げになったら困るし。」

まるで教師みたいな言い方をする先生にカチンときて、更にぐずってしまった。

「裕太は私を合格させるためだけに付き合ってるの?
私が大学に合格したらもう用なし?」

さすがに言い過ぎたって思ったけど、一度口から出てしまった言葉はもう取り返せない。

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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時

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