GATE １８ →→

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センター試験まであと１週間。

相変わらず私は、先生の部屋に籠もっている。

三学期が始まり、先生は昼間は学校に出かけているから、昼間は１人きり。

心配性の先生は、私をこの部屋から絶対に出してはくれない。

マンションの近くのコンビニにすら。

「今、インフルエンザが流行ってるから。」

とか言ってるけど、本心はそうじゃなくて。

とにかく私をこの部屋に閉じ込めておきたいんだ。

それが先生にとって一番安心する方法だし、

私もこの部屋にいれば、気持ちが安定するから。

きっとこの方法は正しいんだ。









そんなある日、先生が出かけてすぐにインターホンが鳴った。

この部屋に１人でいる時にたまにインターホンが鳴ることはあるけど、それはほぼ宅配便で。

応答せずにしたら、勝手に宅配ボックスに入れて帰っていくんだけど。

でも今日は違った。

インターホンが鳴るたびにモニターを見に行くんだけど、誰も映っていない。

だけど３０分おきくらいに鳴らされるインターホンに、次第に集中が続かなくなる。

先生に出されていた課題も半分以上出来ないまま、夕方には先生が帰ってきてしまった。

「全然できてないじゃん。
何してたわけ？今日。」

厳しめの先生の言葉に、私は無言でインターホンを指さす。

「…何？」

「３０分おきにインターホンが鳴るから、集中できなかった。」

「インターホン？」

先生はモニターをチェックしてるけど、見事に画像は残ってなくて。

だけど１枚だけ、立ち去ろうとしている女の子の姿が映っていた。

動いてるせいで画像はブレてたけど、先生にはその子が誰だかわかったみたいだった。

だって、その横顔を見てればわかるよ。

「例の子？」

そう聞いても、先生は何も答えてはくれない。

「ちょっと管理室に行ってくる。」

そのまま先生は部屋を出て行って、３０分ほど戻ってこなかった。









ようやく戻って来た先生は、無言のまま向かいの席に座ると、小さく溜息をつく。

「管理室の防犯カメラを見せてもらってきた。
画像を残さないようにしてたみたいだけど、バッチリ映ってたわ。」

「あの子だった？
茉莉花さんって言ってたっけ。」

神社で会った子が、例のストーカーの子のことをそう呼んでたから。

だけど先生は黙って、首を横に振った。

「茉莉花じゃないよ、ストーカー行為をしてたのは。」

「違うの？」

「前の学校で騒ぎを起こしたのは…、
この間神社で話しかけてきた、あの子だから。」

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