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案の定、先生は背後の彼女に気付いてなかったようで、私を見つけて真っ直ぐにこちらに向かってくる。

…どうしよう。

先生と生徒が2人きりて初詣とか…、誤解されても仕方ないようなシチュエーションだし、

もしその女の子が、例のストーカーだったらどうしよう。

だから私は、先生の背後の彼女の方にわざと視線を送り続ける。

視線に気付いた先生は、後ろを振り返って彼女を確認して、

そして安心したかのように微笑んだ。

「何?どうした?」

その声の掛け方も表情も、「優しい先生」って感じで。

その様子を見る限りは、例のストーカーの子ではなさそう。

女の子はチラリと私を窺っては、

「先生の彼女?」

なんて、ストレートに聞いてくる。

「今の学校の生徒だよ。
もうすぐセンター試験だから、初詣に連れてきたんだけど。
お前は?センター受けんじゃないの?」

「私はもう推薦で決まったんだ。
…それより先生、茉莉花に会った?
今日も来てるみたいなんだけど。」

「…会ってないけど。
何で?」

「さっきLINEが来て、先生が来てるって教えたら探してたみたいだから。」

私に背を向けてるから先生の表情は読めないけど、なんとなくわかった。

その茉莉花って子が、例のストーカーの子なんじゃないの?









「そう。
…まあ、フラフラしてるからそのうち会えんじゃないの?」

「あのね、先生を追いかけてきたのは、茉莉花のことで気になることがあるからなんだ。」

「何?」

「茉莉花、先生のことまだ気になってるんじゃないかな。
あの子のTwitterを見てたら、変なこと書いてたから。」

変なこと…?

彼女はチラッと私を見るから、思わず聞いてないふりをして目を逸らした。

「何が書いてあった?」

先生は何気ない感じでそう尋ねてるけど、

私はさっきから胸が嫌な感じで早鳴りし始めていた。

「『住んでる部屋を見つけた』とか、『最寄り駅発見』とか。
あ、マンションの画像もあったよ、見る?」

彼女はスマホをスクロールしては、画像を先生に見せている。

「あー…、これうちのマンションじゃないわ。
俺のことじゃないんじゃない?」

先生のそんな言葉に彼女は安心したのか、

「そっか…、変なこと言ってごめんね。
最近の茉莉花、ちょっと様子が変だから気になってたんだ。
さっき先生がいるってLINEした時も、興奮状態で電話をかけてきたから。
じゃあ待たね、先生。」

って、私にもペコリと頭を下げて、彼女は来た道を戻って行った。

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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時

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