GATE １８ →→

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大晦日まで、受験勉強は続く。

「普通の生徒は、１人で孤独と戦いながら勉強してるんだからな？
こうやってマンツーマンで、しかもタダで教えてもらえるなんて、Aは恵まれ過ぎだろ。」

わかってるよ、ちゃんと。

感謝してるし、うれしいし。

だけど今の状態は、先生と生徒の関係が前面に出てて、正直おもしろくない。

私達が恋愛関係にあるなんて、微塵も想像がつかないくらいのスパルタぶりだから。

大晦日だってそう。

学習スケジュールは平日通り。

日付が変わる直前まで勉強させられた挙句、カウントダウンもなしで、

「あ、日付過ぎてるわ。
あけましておめでとう。」

って、あっさり先生に言われてしまったことで、気持ちが更にどんよりしてしまう。

「初詣に行きたい。」

そうお願いしても、

「こんな寒い夜に出かけたら、風邪ひくじゃん。
受験前の大事な時期なのに。」

って、眉を顰められて終了。

早く受験生なんか終わりにしたい。

早く先生と生徒なんていう、面倒くさい関係から離れたい。

きちんと私を、恋人という肩書だけで見てほしいんだ。









元旦の午前中、ようやく初詣に連れて行ってもらえた。

隣町の大きな神社。

縁日みたいに出店がたくさん出てて、テンションは上がりまくりなのに、

「お詣りだけして、すぐ帰るぞ。」

とかって、急かされてしまう。

おみくじを引こうとしたら、

「凶が出たらどうするわけ？
受験前にそういうのはやめた方がいいと思うけど？」

って、なかなかうるさい。

合格祈願のお守りは買ってくれたけどさ、私的にはなんだか不満の残る初詣。









お詣りを終えて参道を歩いている時、

「玉森先生！」

って、女の子の声が聞こえてきた。

途端に私は、先生の傍から離れる。

偶然隣にいただけですよ的な雰囲気を漂わせて、立ち止まった先生の隣を追い越していく。

だって、うちの学校の生徒だろうし。

先生と生徒が初詣とか、変に勘繰られても困るし。

だいぶ離れた場所から、振り返って先生を探してみた。

…いた。

女の子に囲まれちゃってんじゃん。

だけど…、知った顔が１人もいない。

もしかして前の学校の生徒さんとか？









しばらく待ってたら、女生徒と別れた先生がこちらに向かって歩いてきた。

手を振ろうかと思ったけど、躊躇してしまった。

だって…。

先生は気付いてないみたいだけど、先生の後ろにピッタリと、さっきの輪の中にいた女の子が１人、ついて来ていたから。

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