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先生はいつものソファーに座ると、私の名前を呼んだ。
「A。」
って、両手を広げて。
いつも甘やかしてくれる時みたいに。
仕方なく、いつもみたいに横向きで先生の膝に座ってあげるけど、まだ顔は不貞腐れたまま。
だけど先生はそんな私が可笑しいのか、
「はいはい。
どんなに拗ねてても、ちゃんと膝の上に乗ってくるAはやっぱ可愛いわ。」
とか言いながら、私の背中を撫でてる。
ほんとはもっと意地張ってもよかったよ?
でも今日はいろいろあったから、疲れただけ。
…まあ、ただの言い訳だけど。
やっぱり先生に抱きついてると、気持ちがどんどん満たされていくから。
そんな簡単な行為で、さっきまで鬱々としてた気持ちが晴れていくのが悔しくて、そんな単純な人間になり下がった自分が嫌だった。
「もう、自分が嫌だ。」
「…何が?」
「こうやってるだけで、さっきまでモヤモヤしてたことが晴れちゃうのが。
なんか腹立つ。
自分が低俗すぎて。」
「いいんじゃない?
Aのそんなところ、俺は好きだけどね。」
先生の声は、すっかりいつもの柔らかい感じに戻ってる。
「俺もそうだし。
こうしてるだけで、今までイライラしてたこととか吹っ飛んだわ。」
そう言って背中をポンポンした後、
「じゃ、降りて。
Aのスペース作るから。」
って、私を膝から抱き下ろした。
「私のスペースって何?」
「Aが勉強したり、寝たりする場所。
寝室は使っていいから。
勉強はここでいい?」
寝室!
そういえば何度もこの部屋に来てるけど、寝室は見たことなかったんだよね。
「寝室覗いていい?」
「…いいけど。
A仕様に片付けるから、それまで待ってて。」
「何?私仕様って。」
「シーツ替えて、綺麗に掃除してからね。」
…って怪しい。
絶対、寝室には私に見られたら困るものがあるはずなんだよね。
なのに先生は、
「俺が寝室を片付けてる間、これやっといて。」
って、何枚かのプリントを机の上に置いてきた。
「何これ。」
「Aの今までよく間違ってた問題をまとめたオリジナルの問題集。」
そういえば私の間違った問題をパソコンに打ち込んでたよね。
まさか、ここで出てくるなんて。
プリントを何枚かやってる間に、寝室からは掃除機をかける音や、ゴトゴトと何かを動かしてる音が聞こえてくる。
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わかめ(プロフ) - コメントありがとうございました!返信が二か月も遅くなりまして、大変申し訳ないですー(*'ω'*)これからはコンスタントにそこそこ更新できそうです。どうぞよろしくお願いします(*'ω'*) (2018年3月8日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わかめさん» ずっと更新待ってました!!!今から読みます!!! (2018年1月7日 8時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» いつもいつも、更新遅めで申し訳ないです(/ω\)引き続き読んでいただけたらうれしいです(*'ω'*) (2018年1月7日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - わああああ〜〜〜ありがとうございます (2018年1月2日 22時) (レス) id: 1599802159 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ゆきさん» お待たせいたしました。先程更新いたしました。ご期待に副えるかどうか心配ですがwwwこれからもどうぞよろしくお願いしますm(__)m (2018年1月2日 1時) (レス) id: 8af18b42f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わかめ | 作成日時:2017年12月29日 22時