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電話 : 銀時 ページ14

彼女は大きな眼を、更に大きくして
俺の方へと身体を向けた。
薄い着物は身体のラインを浮き立たせ
彼女の細さを露わにした。
少し、痩せただろうか。
その白さもまた際立って、



「…よかった!銀時さん!」



か細い身体で駆け寄ろうとするので
慌てて、俺がAちゃんに駆け寄る。



銀「え!?な、どうしたの?こんな時間に?」


「電話…!」


銀「電話?」


「約束、ごめんなさい…!できなくて、」


銀「あ、…ああ」



彼女はちゃんと、覚えていたんだ。
俺はそれが分かっただけで
ベタ塗りされた気持ちが洗われた気分になった。



「番号…、うろ覚えでそれで
歩き回って、探していたんです。万事屋!
でも…見つけられなくて、
ここで項垂れていたら銀時さんが…!」


銀「あ?え?さっきの電話、もしかして」


「あれ…合ってました?ほんとに?」


銀「ああ、うん!まさかほんとに
Aちゃんだったなんて、すげえな。
でもなんで、こんな時間に?」


平「Aさん?」



橋の反対側らから来た、
Aちゃんと同い年くらいの男の子が
Aちゃんに買って来たのだろうか、
水を手渡した。



「ありがとう、平太!
この方、探してた万事屋の、」


平「あれ?あなた、いつも門の前で
ウロウロしてる…」


銀「ええぇ!?な、何のことかな!?」


「ああ!でも、ほんとに!逢えてよかった!
わたし、あの約束がずっと心残りで…、
銀時さんとまたお話しもしたかったし、」


銀「ほんと!?う、嬉しいな!
その…あんまり急だったからよ…」


「…ええ、ほんとに」


銀「月詠も心配してたぞ、
何度か逢いに行って言伝も頼んでるのに
連絡がないって…」


「…え?」



彼女が驚いた顔をして俺を見上げた途端、
隣にいた平太くんがはっとした顔して
突然、Aちゃんの腕を掴んだ。



平「Aさ、」


門「Aさま。平太。
戻りましょう」



平太くんが名前を呼ぶのと同時に
何やら、重々しい奴らがふたりを呼んだ。
平太くんの顔は急激に青ざめ、
Aちゃんもまた表情を曇らせた。



銀「誰だ?」


「銀時さん…、逢えてよかったです」


銀「え?」


「ほんとに、よかった…おやすみなさい」



そう言うと、Aちゃんは奴らの元に行き
平太くんは1人に、腕を強く引かれて行った。



銀「え…Aちゃ、」


門「それでは、失礼致します」



問答無用でAちゃんと平太くんを
連れ去る、その画は何故か
俺の胸を酷く騒つかせた。

瞼の裏→←タイミング : 銀時



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にじゅまるる(プロフ) - 美雨さん» いえいえ!!こちらこそ修正してくださってありがとうございました!!(°▽°) (2019年5月1日 9時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - にじゅまるるさん» あわわわ…!何故に三番隊!笑 完全に間違えていました!ご指摘、わざわざ、ありがとうございます!!修正させていただきました! (2019年5月1日 0時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
にじゅまるる(プロフ) - こんにちわ^^!!少し聞きたいことがあるんですが、三番隊隊長は総悟じゃなくて終兄さんじゃないんですか?もし私の間違いであればごめんなさい…けれど気になったので… (2019年4月30日 15時) (レス) id: dfaa12cf19 (このIDを非表示/違反報告)
美雨(プロフ) - 夏終朝凪さん» 嬉しいお言葉ありがとうございますっっ!!これからもう少し銀魂世界寄りになっていく予定なので、引き続き楽しみにしてもらえたらと思います!コメントありがとうございます涙 (2019年4月16日 23時) (レス) id: c9e3b5a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 続きが気になります!とても読みやすいですね!更新楽しみにしてます!(*´▽`*) (2019年4月16日 21時) (レス) id: 06ec7af5b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美雨 | 作成日時:2019年3月29日 0時

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