家に、北山ってやつが住み着きました。2

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北山side





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藤ヶ谷は、自分の着てた上着を俺に羽織らせてくれて、足を捻った俺に肩を貸してくれた




藤｢大丈夫？｣




『……うん』





つい言葉に出てしまったことを後悔した



よく考えたら、藤ヶ谷は別に俺を好きでもないのにそんなこと言われたら引くだろうなとか


いつもはポジティブに考えるのに、藤ヶ谷の事になると俺はネガティブになってしまう






沈黙が、重い空気にさせる






『……っわ』





急に足を止めた藤ヶ谷が、手で自分の顔を隠すポーズをとってる





『……え、藤ヶ谷？どうし……』





街灯に照らされた藤ヶ谷の耳が真っ赤で、手の隙間から覗かせる頬もほんのり赤くなってる





『……/////』





違うって分かってるのに、もしかしたらって期待して、お腹や顔が熱くなる





藤｢北山……｣




『……っはい』






緊張で、声が上擦った






藤｢俺、自惚れてもいい？｣




『……俺も、自惚れてもいい？』






ようやく、見せてくれた藤ヶ谷の顔は、想像してたよりも赤かった






藤｢北山は、俺の事嫌いなのかと思ってた｣




『なんで……』






藤ヶ谷の言葉でやっと気づいた



あの時、病室のドアが開いた音は、藤ヶ谷だったんだ






藤｢聞いちゃって｣




『あれは……違くて』




藤｢……ずっと会いに来れなくてごめん｣




『……』




藤｢会えない間、ずっと考えてた。ずっと……会いたかった｣




『藤ヶ谷……』




藤｢例え、俺を嫌いでも……俺はどうしても、好きなんだって、改めて思って｣




『違う、嫌いなんかじゃ……っ』






嫌いなんかじゃない、好きなんだって



言いたいのに、涙が邪魔して言葉にならない






藤｢でも今ちゃんとわかったから、嫌われてた訳じゃないって……だから嬉しくて｣




『ふじ……っ』






あぁ、もうっ言葉が出てこない





『……っ』






藤ヶ谷、好き




伝える代わりに、キスをした






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