家に、北山ってやつが住み着きました。2

21. ページ21

横尾side





.





あれから、買い物に行ったり、俺が仕事の日は一緒にご飯を食べたりしてるけど




太輔は、心ここに在らずみたいだし、無理して笑ってて、見てるこっちが苦しくなる






｢休みいつまでだっけ｣




藤｢今週まで｣





元々、みっちゃんのそばにいたいからととった休み


その内の半分しか、会えないなんて





藤｢……｣




｢今日は外に飲み行こ。気分転換にもなるしさ｣






太輔が頷いたのを確認して、店を探す





｢ここ良さそう｣





焼き鳥の美味しそうな居酒屋さん





藤｢そこ美味しいよ｣




｢行ったことあるの？｣




藤｢北山といった｣






やってしまった……



太輔に、思い出させるようなこと





別の場所……って探してたら、




太輔が早く行こって玄関を開けた






藤｢焼き鳥…食べたい｣




｢……今行くよ｣






辛くないか？無理してないか？



1歩先をすたすた歩く太輔に、声をかけられずにいたら、やっぱり近くてすぐに着いてしまった居酒屋






のれんをくぐれば、威勢のいい｢いらっしゃい｣が聞こえてきた






藤｢カウンターでいい？｣




｢あぁ、どこでも｣






焼き鳥数本とビールを頼んで乾杯する






｢ん、美味しい｣




藤｢でしょ｣






また、大将の｢いらっしゃい｣が聞こえては、



のれんをくぐってきた男が、俺らを指さした






横｢あ｣




宮｢がやさん！横尾さんー！｣




藤｢あー、みやただ｣




宮｢何そのやる気ない反応、横座っていい？｣






どうぞと言う前に椅子に腰かける宮田さんもビールと焼き鳥を注文した







藤｢……北山元気？｣






来て早々に聞くから、よっぽど気になってたんだろう






宮｢……あぁ元気だよ、たぶん｣




藤｢たぶんって？何、北山どうかしたの？｣






宮田さんの曖昧な言葉に、太輔が血相を変えて質問する


宮田さんは、焦ったように、違う違う！と否定して






宮｢俺も会えてないんだよね｣




藤｢どうして……｣




宮｢なんだか、会いに行きづらくて……｣







嫌な予感がした、この先をきっと聞いてはいけないって






.

22*→←20

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す